Three People Travel
□第四話
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(あんなこと言わなきゃよかった)
少し後悔しながら従者たちが待つ城門に向かった。
城門に着くともうそこには2人が待っていた。
「おはようございますアズ様」
「おはようシン」
「準備はいいかアズ?」
「うん、行こうヴァルナ!!」
アズたちは素性を隠す為にある設定を考えた。
その設定とは
アズとヴァルナが兄弟でシンとは旅の途中に異国で出会った旅仲間ということだった。
シンは若干この設定に不満を持っていたが
多数決で決定したためしぶしぶ頷いた。
「ごめんね、シン… 僕の考えた案…
気に入らなかったよね…」
「いえ、アズ様の発想はすばらしいものばかりです。それに主の決定は従者にとって絶対ですから」
慌ててシンが否定する。
「急がないと今日中に街に着けなくなる」
ヴァルナが腰にさげている長剣を鞘に収めながら言った。
「あ、ちょっと待ってて」
そう言って倉庫に駆け出す王子を眺める2人の顔が驚愕の表情になったのはすぐだった。