Three People Travel

□第三話
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「アズは大丈夫か?」

 ヴァルナとシンはアズの部屋の前で話していた。

「正直、アズ様にこれはつらいだろう。」

 本当は、ヴァルナにも、アズが平気でないことは分かっていた。

「…だが、ここで駄目になってしまうくらいなら、俺はここまでの男だったって事だな。」

 ヴァルナもシンと同じ気持ちだった。

 主の力量は自分の力量。主の滅びる時が自分の滅びる時なのだ。

 だが、

「…アズはまだ12歳になったばかりだぞ。手助けくらいはして良いんじゃないか?」

「お前って見かけによらず、アズ様に甘いよな。」

「シンほどじゃないさ。」

 結局、どっちも甘いのだが、そんな事は昔からよく知っていた。

「じゃあ、ヴァルが助ければいいだろう。」

「俺が話下手なのを知ってて言っているだろう。」

 じゃあ、今の饒舌さはなんなんだとシンはいいたいが黙っておく。

 ヴァルナに気のきいた事を言えと言う方が無理な話だと分かっているからだ。

「お前も少しは成長した方がいいぞ。」

 そう言って、アズの部屋へ続く扉をノックする。

 不服そうな顔をしているだろうヴァルナを廊下に残して。



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