Three People Travel
□第二話
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『父さま?…母さま?…』
よろよろと動かない父と母に近づいた。
いつも威厳があって厳しくも優しい父は、今後の国に関わる資料を読んでいたところだ。
美しく気品があり子供達を暖かく見守ってくれる母は、温かいベランダで広い庭を駆けめぐる我が子達を笑顔で見おろしていた。
触ってもやはり反応がない。
『兄さま?…姉さま?…』
いつも自分を可愛がってくれる兄姉達は、庭で帝王学の合間の休憩がてら3人で追いかけっこなどの遊びをしているところだった。
こちらも、やはり何の反応もない。
シンもヴァルも動揺している。
混乱と不安と悲しみがいっきに押し寄せて、アズは座りこんでしまった。