Three People Travel

□第五話
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 アズ達がローレスト王国を出発して数刻。

 もう昼だというのに、辺りは薄暗かった。

 というのも、ローレスト王国と隣国のチャート王国へ行くには、森の中を通っていくしかないからだ。

 ローレスト王国は完全自給自足の国だったので、もちろん、隣国へ行く道など整備されていない。

 そんな森の中を行くアズ達は、予定より時間をとってしまっていた。

「なんで、お昼なのに暗いんだよ〜。」

 この日、何度目か分からない泣き言をアズが言っている。

「森の中だからだろ。」

 何の気休めにもならない言葉を淡々とヴァルナが返す。

「今日、歩ききればチャート王国へつけるはずですから、それまで辛抱しましょう。」

 苦笑いをしながら、シンがアズを励ます。

 そんな事を、ずっと繰り返していた。

「でも、さすがにお腹が空いてきたよ。休憩と食事にしようよ。」

「そうですね。食べないと力も出ませんからね。」

「じゃあ、食事にするか。」

 ヴァルがそう言って、持っていた荷物の中から、あまり美味しそうではないが、長持ちする、携帯食料をとりだした。

 それを見た、シンが申し訳なさそうな顔になった。

「すみません。こんなものしかなくて…」

 そう言われてアズは少し怒ったような表情をしていた。

「これからもっと大変な事がいっぱいあるのに、こんな事で謝らないでよ。これは、命令だよ。」

「御意。」

 アズはフゥーと息を吐いて、シンを見た。

(シンの過保護はなかなか直らないよな。)

「とにかく、食べよう。」

 そう言って、近くにある石に3人とも座って食べ始めた。




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