Three People Travel
□第四話
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その日は、いつもより早く目が覚めた。
昨日のうちに準備と、これからする旅の打ち合わせをした。
「いよいよかな」
そう言うとアズは昨日の打ち合わせを思い出した。
まずはシンが今までの出来事をまとめて説明した。
「いいですか?アズ様。
この魔法をかけた犯人は、どういう訳かこの国の動きを封じた。
それはつまり我々もこの魔法にかかっていたはずです。
もし何らかの形で犯人に我々の状況を知られたら
命を落とす可能性もあります」
「つまり僕たちの正体をこれから会う人達に隠さないといけないんでしょ!?」
アズが身を乗り出して言う。
「それだけじゃない
これからは自分の身の回りを特に警戒しろ。
いくら俺たちがいるからって油断するなよ」
とヴァルナが言った。
「でも、ヴァルとシンが守ってくれるでしょ?
それは従者の仕事でもあるし」
「だけどな、もしもってことが」
それを遮ってアズが言った。
「じゃ、命令。僕を守れ」
「うっ、御意」
「アズ様、これは万が一のために」
「わかってるよ。ちょっといじめてみただけ。
ごめんね、もう大丈夫ってこと、2人見せたかっただけだから」
そう言うとアズはまた寂しそうに笑った。