立海
□地獄のかくれんぼ
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「みんな、今日は鬼ごっこをしようか!!」
うちの部長がまた訳の分からないことを言い出した。
幸村を除く全員が思っていた。
なぜ鬼ごっこなんだ、と。
そして一人の勇者がその疑問を素直に彼に投げかける。
そう。彼の名は切原赤也。
「鬼ごっこって今からっすか?めんどくさいっすよ〜。」
「何か言ったかい?不二にボロボロに負けた切原赤也くん。」
「いえ、何も言ってないです。」
あっさり玉砕した。
「そもそもみんな、俺が病院で辛い生活をおくってる間ちゃんと練習してたの!?まさか青学なんかに負けるなんて・・・。がっかりだよ、君達には。
あっでもブン太は別にいいんだよ?青学戦のときもブン太は天才的にかわいかっただろうしね☆」
「ありがとう幸村く〜ん♪」
「もうかわいいなぁブン太は☆」
・・・・・・・・・
「というわけで今日はかくれんぼをすることに決定した。」
「鬼ごっこじゃないんすか!?」
「何か言ったかい?不二にボロボロに・・・・」
「口ごたえしてすみませんでしたっっっ!!!」
幸村の笑顔の重圧に赤也の心はすでにボロボロだ!
「分かればいいんだよ。
それじゃ、みんなルールはわかってるだろうから説明は省くね。
でもこれだけは最初に言っておく。
今回はただのかくれんぼじゃつまらないから罰ゲームをつけるから。そこんとこ覚悟しといて。
鬼はしょうがないから俺がやるよ。みんなバカじゃないんだから俺に捕まったりしたらどうなるか・・・分かるよね?」
見つかったときが自分の命の終わりということを誰もが理解した。
「あれ?そういえば柳は?」
「あぁ、参謀は委員会で今日は遅れるらしいぜよ。」
「ちっ・・・命拾いしたね。」
えっ!?舌打ち?
そんな俺達の動揺を余所に幸村は笑顔で話し続ける。
「うん♪みんな見つかったらどうなるか分かってくれたみたいだね♪
あと言い忘れてたけど隠れる場所は校舎内ならどこでもいいから!
一分後に探し始めるから見つからないようにがんばって!!」
しかしここで空気を読めない勇者がまた一人立ち上がった。
「しかし幸村。部活は・・・・」
「何か言ったかい?一年生にぶざまに負け・・・」
「かくれんぼか!久しぶりだな!」
そして命懸けのかくれんぼがスタートした。