宝物
□強まる想い
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「…そういえば神田との任務、マテール以来でしたね。」
モヤシは近くにあった木の根元に腰を下ろした。
「結局イノセンスはなかったし、AKUMAと戦ってばかりだったけど…また神田と一緒で嬉しかったです。」
まぁあの時はキミのこと本当に何て人なんだ、なんて思ってましたけどね、と言ってモヤシはまた柔らかく笑う。
―俺たちは破壊者だ、救済者じゃないんだぜ…
あの日、俺はモヤシにそう言った。あの戦場で救うべきものなんて何もない、俺たちがやるべきことはただ破壊することだけ…それが今では何よりもまずモヤシを守りたいと思ってしまう。
…もう限界だ。
そう思った俺はモヤシの側に腰を下ろして、そのまま抱きつくようにモヤシの肩にもたれかかった。
「かっ神田っ!?///いきなり何なんですかっ//////」
「……疲れた。」
「…へっ!?!?」
「しばらくこのままでいさせてくれ…。」
しばらくこのままで、もう何も考えたくない…。
引き寄せるように抱き締めたモヤシの体温が疲れきった心と体に心地よくて、俺はすぐに眠気に襲われた…