『close』

□第十話『2つの愛』
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「....っ香....」




ライは歯をくいしばった。



体は完全にシロの力でのっとられ、指一本さえ動かせない。






「...無駄...おまえの力は...わたしのもの」

シロは表情も変えず、ライに続く。



ライは拳を握り締めた。



「...なんでこんなことをする。てめえは目の国には恨みなんてねぇだろ...」


怒りにふるえるライの後ろでシロは不気味にわらい、耳元の飾りをさわった。



「....おぬしが抵抗しなければ...このすずらん、使わないで....済んだのだ。
この目の国に恨みなどあるわけが無い。
.....しかし、これはあの人の....命令。命令は、絶対...」



すずらんが風にあたり、端についた鈴が鳴る。


「...なぜ、そこまであんなヤツに従うんだ。」


わからなかった



なぜこんな汚れた任務を無表情でできるのか



なぜそこまでヤツに執着するのか




だって、あいつの本心は、

「あの人には、...命を....差し出す約束をした。」


ライは目を見開いた。



「...何で、そんなこと!あいつはお前の命なんてっ」

「...すべては、甘屋しろへの...復讐のため。」



シロはそう言うと、いつも着ている羽織りを握り締めた。

顔はいつになく険しく、どこか寂しげだった。



「....あやつだけは....許さない.....必ず..この手で....」


次の瞬間、シロは向きを変え、すずらんを押さえた。


気付けば、
そこは門の前だった。


「...操力石、すずらん。」


ライは目を見開く。


「..っふざけんなてめえ!!これ以上は無理...だっ」


ぐはっっ..


辺りにライの血が舞う。


身体は既に限界だった。

それでも体は動かされる。


身体中が痺れるように痛かった。



「...目の国に...贈り物」


「..やめっ」






ドッカ---------ン






爆発音が、

響き渡る。




「...逃げろ!!!香っ!!!」






狂月刀が


目を覚ます前に。






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