『close』
□第五話 『任務メンバー、現る』
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程よく日が差して気持ちいい午後、つるとリズは陰光様の用意した個室に呼び出されていた。
二人はこの前の入学試験でトップクラスの成績をとり、無事に入学をとげたのだ。
「....何の用だか.....」
「..さっぱりわからんな」
二人とも何の用でこんな所に呼び出されているかも解らなかった。
「....じじい、何のつもりだよ...」
つるはもう待ちくたびれ、ソファで横になった。すると、急に部屋の中に葉が舞い、なかから3代目が現れる。
「っ3代目!」
それはもうつるにとって見慣れた光景だったが、その術を初めて見たリズは、目が輝いていた。
「ん。よく来たな。今日は大事な話があってここに呼び出した。」
いつもとは少し違う3代目の顔に、つるも姿勢を直す。
「実は、先日行われた入学試験、お前たちと同じような成績の奴がもう1人いてのお。今日はそいつを連れてきた。」
3代目がそう言って指を鳴らすと、ドアの曇りガラスに人影が現れ、大きな刀を背負ったそのシルエットに、二人は少し緊張して身構えた。
「はいれ、香。」
「はい」
3代目の声と共に現れた少年は、予想とは違い、照れながら入ってきた。そのおちゃめな←少年に2人は固まってしまうのだった。
「俺、在風香。よろしくー!」
そしてそれに続く何とも軽ーい挨拶に、二人は拍子抜けしてずっこけた。
「さ、桜リズだ。よろしく。」
リズは顔をしかめながらも一歩出て挨拶をした。
「桜家の女の子か!よろしくー」
か、かるい....
なんだこいつ。
本当にトップレベルの入学者か?
リズがそんな疑問を浮かべていると、つるも挨拶を始めた。
「....坂幡つるだ。よろしく。」
「.....」
....ちょ...
なんだよ....
なんで何もいわねえんだ...
..........
「.....おまえ、名前....」
「つる...だけど?」
つるが意味もわからず顔を上げて言い直すと、香はつるの頭にポンと手を置いた。
「超かわいいな!!あははは」
その一言で、その個室にいた全ての人間がかたまったのだった。
どうやらこの男、かなりの変人らしい...
「.....」
「.....」
「....さてと....」
香が爆笑する中、3代目がやっと話を切り出した。香も笑うのをやめ、3代目を見据える。
「....今日集まってもらったこの3人じゃが、
たった今ここで、新任務チームとする。これからおそらく卒業までずっと共に行動するじゃろう。仲良くするのじゃぞ。」
つるとリズは更に固まった。
「....りょ、了解。」
こ、こいつが私たちと。
何かと心配だ....
「......。」
そういうことか.....
なるほどな。
「そう言うことだから、よろしくー」
「つる、リズ、香。
お前等は今日から、
『Dチーム』とする。」
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