『close』

□第四話 『腕前』
1ページ/5ページ

キャラ確認



「...さぼる」

影光をめざすと宣言して初めての入学試験日、つるはめんどくさそうにつぶやいた。

「ちょっお前影光様になると宣言したばかりじゃないか!!」

まるでやる気のないつるとは対照的に、リズはいつもしている紫色のはちまきをキツくして、気合いを入れている。

「だって次、武術だろ?俺はできるからいいけど、リズできんのか?」

つるは今の3代目が就任したころから、3代目直々の恐ろしい修業を続けてきたため、普通の影人以上の武術は習得していた。

武術には多少自信がある。

しかしリズは大きくのびをして、満面の笑みでつるの方を向いて言った。


「つる、言っておくが、武術なら私のほうが上だぞ」

はちまきが光る。

「.........あ。」








つるは、やっと思い出したのだった。

リズの家、桜家が極めているものを。









「....怪力融合武術...だったか?」

「ああ。これにかなう武術は存在しない」

紫色のはちまきが目印の桜家は、確かに最強武術の家柄だった。

空の国を支える力として、誰でも知っていることだった。

「...なら、別に受けなくてもいいだろ?」

「ばーか、そんなんじゃダメなんだ。私には目標があるんだから。」

リズはサラサラの金髪をかきあげた。

「目標...?」

「ああ。私の目標は、」






この学園を、
史上最年少で卒業して、
最強の影人になること。







それはなぜか、
つるの心に響いた。




心が、動いた。


「...それ、俺も挑戦しよっかな。」


「本当か?ならライバルだな。」



リズはうれしそうに笑った。




「じゃ、行くか。」



2人は立ち上がった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ