『close』

□第四話 『腕前』
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ここでの試験は普通の甘ったれたものとはかけはなれている。



特に武術分野では、死と隣り合わせであり、へたをすれば死人だってでる。









「や、やめろ...ぎゃーーーー」

「リズ、やめろ。勝負は見えてる。」

つるの一声でリズはやっと戦闘をやめた。


がれきの山と化した第1競技場。

ぼろぼろになった挑戦者。「...勝った」


リズは座り込んだ。










約10分前。










「桜旋風!!!!」

リズが叫んだ瞬間、男のまわりに岩の壁ができる。


土煙が辺りを包み込んだ。

「桜家のわざ、すげえ力だまったく。」

その威力につるも驚いていた。

「は!!」

次の瞬間、リズが地面に打ち込んだこぶしで地割れが起き、さっき作った壁が壊れ落ちる。

「うあーーー」

男はそう叫んだが、やはり同じ影人。飲み込まれる前に地面へ潜って難をのがれた。

「甘いんだよ!!怪力女!」

リズの足を素早く紐がとらえる。

「..っしまった!」

叫んだ時にはもう遅く、リズは地面へ引きずり込まれてしまった。



「リズ!」



どっかーん




地響きがして、皆がその先を見守った。だれもがリズの負けだと思った。


しかし出てきたのは、





「....こんなにあっさり死ねるか!!」







はちまきが風にゆれた。
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