ギアス

□体調管理はボクの仕事
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体調管理はボクの仕事!!


ボクはさ、
今までこんなに気にかけたくなった人間に初めてあったよ。
最初はね、
ランスロットの大切なパーツとしか思ってなかったはずなのにね…。

なんてね!!

どう?
感動した〜?


…ロイドさん。
何で今、この状況でそんなこと言うんですか?


だって、スザクくんが熱があるのに特派まで来ちゃったからじゃないか〜。


それはそうですけど…。


事実を言われては何も言えなくて黙り込む。


スザクくん。
大丈夫…?


ロイドさんが珍しく心配そうな目でこっちを向いてくる。

ロイドさん…?


ゴメンね〜、冷えピタとかあれば良いんだけど…、残念ながら特派にそんなものはないから…。
セシルくんが買ってくるまで待っててね。

そういって額のタオルを変えてくれる。


なんか懐かしい?


あぁ、これはもしかして…。


ロイドさんって今、お父さんみたいですね。


へ?

あたり前だがロイドさんは呆けた顔をする。


あっ、いえ…。
すいません…。

それに大丈夫ですよ…。
すぐに帰りますから…。
明日はしっかりと治してから来ますから…。
立ち上がろうとすると。


いくら非人道なボクでも病人をそのままほっておきはしないよ。

そういって僕をまた寝かせて手を握ってくれる。

何でだろう…、
こんなことあんまりされたことがないから…、つい…、


ちょっ!?
スザクくん!?

え…?

何で泣いてるの!?
どこか痛いの!?
気持ち悪いの!?

あたふたしてロイドさんが言う。
ロイドさん自体こんなことに慣れていないようだった。

あ、大丈夫ですよ!!
なんか自分こんなに何かされたことがないから…、

言いかけている途中でロイドさんに抱きつかれる。

ロイドさん!?


なんだろね…。
ボクこんな気持ち初めてかも…。
弱ってる君が心配で心配で簡単にここを離れたくないなんて…。

ねぇ、スザクくん。
ボクのことお父さんみたいだって言ったよね。

残念だけどボクは君のお父さんにはなれないなぁ…。


そうですよ。
笑いながら僕は返す。

でもね、
ボクは君のかけがえのない人になりたいなとは思うな。


そういってキスをする。


少しの間、沈黙が流れる。


…スザクくん。
嫌じゃないの?
えっ、いや…。

僕はどう思っている?
わかってるくせに…。

嫌なら僕はロイドさんのこと殴りとばしてますから(苦笑)


うわぁ〜。
それは嫌だね〜。


ロイドさんは少し笑いながら再び僕に口付ける。


ねぇ、スザクくん。
さっきより顔赤いよ?(笑)


えっ!?
気のせいですよ!!

そういって掛けてもらっているタオルを顔まで掛ける。

ほら〜、そうやって隠そうとして〜!!

顔が赤いのは熱があるからですよ!!
ほらっ!!

腕に挟んでいた体温計がタイミングよく鳴った。
それをロイドさんに差し出す。


38.6℃。

そんなにあるのに君、元気だねぇ〜。
普通もっとだるくて動けなくない?

だから…!!


そういってロイドさんの方を見た瞬間にまた唇が触れる。

しまった。

なんて思ってもそれはもう遅くて。

さっきよりも随分深いキス。
僕の口の中にロイドさんの舌が入ってくる。

んっ…、ふっ…。


ヤバい…、軽い酸欠に陥りそう。

風邪を引いているせいで鼻が詰まっている。
そのせいで鼻で上手く呼吸ができない。

その上、口まで塞がれちゃたまったものじゃない。

僕は必死にロイドさんを押し返した。

ロイドさんを離すと口で呼吸ができるようになった。

…すぅ。
けほっ、けほっ、ごほっ…。
ヒュー、ヒュー。

いきなり冷たい空気が肺に入ったからか咳がでる。

ロイドさんが慌てて僕の背中をさする。

スザクくん、ゴメンね〜;;

そういって謝られる。

そう言われるとさっきまで怒ろうとしていたことを忘れてしまう僕がいる。

大丈夫ですよ…。
寝たらすぐに治ります。

そう言うとロイドさんは聴診器を取り出し始める。

ヒューヒューとなる呼吸音が気になるんだけど…。
脱いでくれないかな〜?
シャツ!!

…ロイドさんって医師免許は…。

持ってないよ。

じゃあ何で聴診器持ってるんですか!?

それは秘密だよ〜?
さっ!!早く脱いで!!脱いで!!

えっ!?ちょっ…。
あー!!




ーボクが何で聴診器を持っているかって〜?
そんなのスザクくんの体調管理はボクの仕事だからだよ〜。
けして、お医者さんごっことかしたくて持ってるんじゃ…………ちょっとはあるかもね〜。

枢木スザクはその後肺炎になって一週間全快になるまでかかったとか…。
本当に一週間何をしていたからわからないけどね。


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