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□その柩は楽園への扉
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その柩は禁忌を犯した僕達の罰。
その柩は僕達二人の楽園への扉。

「泣かないで、俺の可愛い君…」
震える僕の身体を抱いて、君が言う。
「ずっと傍にいるから」

唇を重ね、そのまま僕達は身体を重ね合う。
「はっ…あ、あぁっ」
僕達は禁忌を犯し続ける。
君がいるなら、僕はそれでいい…たとえそこが天国でも地獄でも。
「感じて、俺のことを…もっと、強く、俺を…」
「感じるよ、君を…うっ、あう…っ」
太く熱い楔が身体を貫く、快感が僕を支配する。
…いや、僕を支配しているのは、目の前の彼。
「もっと、もっと深く…僕を…あっ!」
ぎしり、骨が軋む。
「お前が望むなら…」

世界は僕達を否定するのか…?
「あっ、あ、うくっ…はぁっ」
「くっ…!」
ガクガクと揺さ振られる、足が痙攣する、此処にいるのは僕達二人だけ。
このまま、君に抱かれて死にたい。
神は僕達を許してくださるだろうか。

この交わりは無意味なものだと知っている。
しかし、求めずにはいられない。
欲しい、彼が、君が。
「ああ、世界が終わればいいのに…お前と死ねればいいのに…っ!」
「うっ、ああっ!」
ナカで感じる、彼のものが弾ける。
僕も自らの腹に白濁を撒き散らす。
ぼんやりとした頭の中は、彼のことでいっぱいだった。

その柩を二度と開かないようにして。
その柩は僕達二人のものだから。

「一緒に行こうか、愛しい君」
「君がいるなら、死さえも怖くない」
僕達の身体を鎖で繋げて閉じ込めて。
二度と離れないように。

その柩は僕達二人の、楽園という名の死への扉。







なんか暗い雰囲気。
考えてたのと随分違う話になってしまった…なにが書きたかったかさっぱり自分でもわからない。(汗)こんなんばっか…
『ひつぎ』の漢字を「柩」にするか「棺」にするか悩んだ。で、結果あまり見ない漢字の柩にけってーい。
2007.4.17

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