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□素顔(仮)
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俺しか知らない、その顔をもっと見せてくれよ。

「ふぁ…やっ」
普段凛とした先輩が俺の腕の中で乱れている。
「感じすぎ、先輩」
「だって、栗栖…」
水色の瞳が潤んで俺を見てくる、その顔は俺より2つ年上だとは思えない。
白いシーツに青い髪が散らばっている、一房とって口付ける。
「可愛い人…」
「うっああっ、あっ」
こうやって抱き締めて、揺さ振るのは何回目だろうか?
「先輩ん中すっげぇ締め付けてくる、気持ちいいんスか?」
手首を押さえて顔を覗き込む、細い手首だ。
これでよく暗殺者なんてやってるな。
「顔、見る、な!」
苦しいんだろう、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「なんで?イイ顔してるぜ?先輩」
ぐいっと腰を押し進めてやると、中がきゅうと締まる。
「あっ?!くぅ…うぁ、んぅ」
甘い律動が始まれば先輩はただ快楽を求めるだけ、俺しか知らない先輩の顔。
本当は閉じ込めて、ずっとこうしていたいくらい、この人が…
「先輩、俺のこと好き?」耳元で囁く、すると手が俺の頭を撫でてきた。
「キライ…だったら、こんなこと……しない」
「もっとはっきり言ってくれよ、好きだって、さ」
腰の動きを速める、先輩の身体が大きく震える。
「あぅ…いじめないで、言うからぁ」
赤く染まった顔で見上げてくる、女以上の色香が漂う。
たまらないな、これは。
「……好き…ひぁあっ」
「俺も好きだ、零…!」
俺は欲望をすべて先輩、零の中に注ぎ込んだ。
零は白濁の粘ついた液を自分と俺の腹に撒き散らしていた。

「ハイ、これ次のターゲットっス先輩」
「どうも、まったく次のターゲット聞くたびにこれじゃ疲れるよ」
溜め息しつつ言うが、本人もその気だったくせに…
「でも、嫌じゃないんでしょ?零先輩?」
そう言うと途端に顔を真っ赤にして
「知るか!!」
と出ていってしまった。
「もっと見せてくれ、そんな顔…」

アンタの本当の顔を知っているのは、俺だけでいいだろ?


End





2006.11.17

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