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□WEB拍手 夏
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「あ・・・暑い・・・・」

彩雲国はそのとき例年にない猛暑に見舞われていた。

「絳攸、楸瑛、涼しくはならないのか・・」

この国の王、劉輝は王様らしからぬ着物を着崩して書類で仰いでいた。
彼の家臣二人は平然と業務をこなしている。
「暑いのはみんな同じですよ」
「というか書類であおぐな!!!暑いのはみんな一緒だ!!」

ついに 絳攸も キレタ。

「じゃあ主上、涼しいことでも考えてみたらどうですか?」

うるささに耐え切れなくなった楸瑛が助言(半ば投げやりな態度)を出す。

「ん?涼しいことか??」

「ええ、今が真冬だと思えばいいんです」

「そ、そうか 考えてみよう」


★ 妄 想 中 ★


「さ、寒いぞ。寒い。今日は一段と冷えるな」
「この部屋が寒いわけないでしょう。」
「ええ。暖をとっていますからね。」
「ああ、あったかい・・」




「暑いぞ!!!」
((バカ王め))


妄想から目覚めた劉輝は暑い暑いと子供のように騒ぎ出した。


ギャーギャーうるさい王に家臣二人もだんだんいらいらと(絳攸はすでにキレているが)
してきた。


「主上」

すくっと楸瑛が立ちだし懐から紙をだした。

「なんだ。楸瑛」


「いいかげんに仕事をしてください!これでも読めばやる気が起きるでしょう!」

と紙を机に置く。

「この暑さではやる気がおきない!!!」


「そうですか。とりあえず読みなさい(命令)」


「そんなことしるか!!!」

ビリビリ

「あ・・・・・・・・・」


絳攸が声を上げる。

フン とそっぽを向いている劉輝。

「しゅ、主上、」

「フン」


楸瑛が、いつも見せないようなあせった顔をしている。
絳攸にいたっては口をぽかんと開けっぱなしである。




「・・・??なんだ?二人とも。」


「それ・・。」


「秀麗殿からの手紙ですよ・・・。」



ピキ


凍りついた劉輝であった。





終わる。

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