けったり小話U

□スジ子・事故る
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赤信号が見えたので、ブレーキをかけはじめたところ、なんとスジ子の右隣を走っていた車が

『巻き込み確認』

もせず

『ウィンカー』

も出さずにスジ子の方に曲がって来た。

左手にはガソリンスタンドがあり、車はそのガソリンスタンドに入ろうとしたようだ。

ヤバい
ぶつかる
死ぬ

人間死にかけた時は走馬灯を見るというのは本当だ。

時間にして1秒や2秒の出来事なのだろうが、それはそれはスローモウションのように感じた。

車がせまる

ブレーキを限界まで握り込む。


ドォ――――ン

あぁ〜〜れぇ〜〜


スジ子バイクごと飛ぶ。

車はその時点でスジ子がいた事に気付き急停車する。

遅いんだよ

スジ子とバイクだけが、用もないガソリンスタンドに転がって行った。

そして、体がバイクと地面に挟まれ、サンドイッチ状態で倒れた。

車の運転手
推定35才の男が焦って駆け寄る。

「大丈夫ですか?」

大丈夫って…
ムリやろ…
いや、ナニが?
ナンノハナシ?

気が動転して、その時は怒りさえ忘れていたスジコ。

寒さと錯乱しているせいか、口がうまくまわらない。

あぅ…しぬ…
だいじょうぶ…ムリッ
う……?
え…?
はい?

加害者の男はヤバイと思い救急車を呼んだ。

こうしてまたもや救急車で運ばれる羽目になったスジ子
(スジ子の人生最悪の日参照)

だが、今回の小話ではそこは重要なポイントでもない訳で…。

救急車を待っている間、男が自分の名前と連絡先を書いた名刺を渡してきた。

うん。
当然の行為だよね

しかし、この事がスジ子の逆鱗に触れる事となるのである。
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