ふんけり図書館

□人生いぶし銀〔3巻〕
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『シッシッ、あっち行きなさい』


ガビ〜ン

『お義母さん〜千代だよぅ〜』


『ニャアニャアうるさいわよ、庭荒らすんじゃないわよ!』





ダメだ…全然通じない。

こっちは人間の言葉が分かるのに…声帯が人間語に適応してねぇ…。


この寒い中、鳴いてるのに家に入れてくれよ。

『入れて〜、入れて〜』


ピシャッ!




窓閉められた…。

どうしよ…。


武志〜寒いよぅ…。


とりあえず庭の隅で夜を待つか。


トホホッ…。



ガラッ!

窓が開いた。

『おぉ〜お義母様〜、かわいがっておくれ〜』


『シッ!あっち行けって言ってるでしょ』



何―――――ッ!

ハッ!それはもしや…


お義母さんは庭中に水入りペットボトルを並べだした。



…典型的な猫よけ…。



ちくしょー!!

そんなもんで今時の猫がビビるかよ!



お義母さんはペットボトルマニアかと思うほどペットボトルを並べて家に帰って行った。




どんだけペットボトル溜め込んでるんだよ!

こんなもんはこうだ!

ヘンッ、オシッコひっかけてやった。



なんか…すっかり猫に成りきってる自分が嫌になってきた。








ゲンナリ…、ゲンナリ…
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