けったり小話V
□シン子列伝
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act1 シン子遭難?
あれはまだシン子が北海道に住んでいたころ。
自然も今よりずっとずっと綺麗やったんやろうな。
当時小学生やった兄ちゃんは日曜日になると友達と山にサンショウウオを取りにいってた。
毎週山に出かけていく兄ちゃんをとてもうらやましく思っていたシン子はある日兄ちゃんについて行くことにした。
シン「兄ちゃん!明日、シン子も一緒に行く!!」
兄「ダメや!!山やし危ないからダメ〜」
シン「大丈夫やもん!!」
兄「綺麗な道ちゃうんぞ?急な坂もあるんやぞ?」
シン「それでも行くもん」
兄「・・・。1人で坂道登れるんか?」
シン「・・・できるもん。行くもん」
・・・というようなやりとりがあったと思う(笑)
とにかくシン子は「ダメや」という兄の言葉を聞かずに、兄と兄の友達と一緒にサンショウウオを採りに山にいったのだ。
山に入って少し歩くと兄達はサンショウウオのいる川めざして舗装された道をはずれてケモノ道へ。
もちろんシン子も兄達の後を追ってケモノ道へ。
ケモノ道。それはそれは獣のよって自然に出来た道。
歩きにくいことこのうえなく、ましてや小学校低学年のシン子にとってはとても困難な道だった。
そして案の定兄達から遅れ始める(笑)
シン「兄ちゃ〜ん。待ってよ〜」
兄「早く来い!!」
シン「もう疲れた〜」
兄「だから来るなって言うたやろ!!」
全くその通りである。
兄達から遅れながらもちょこちょこ歩いていたシン子。
が、よっぽど疲れていたのか、バランスを崩したのか、シン子は・・・今歩いてきた道を転がり落ちた。
泥だらけになって顔を上げた時には兄の姿も兄の友達の姿もなかった。
シン「・・・に〜〜〜〜ちゃあ〜〜〜〜〜(泣)」
返事なし
しばらくその場でグジグジ泣いてたシン子。
その後自力で歩き出した。
そしてどこをどう歩いたのかシン子は川を見つけた。
その川をどんどん上っていって、無事兄達と合流することが出来た。
時間にして1時間ほどシン子は山の中をぐるぐる1人で歩き回っていたことになる。
いやあ。本当無事でよかった〜。