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□人生いぶし銀〔7巻〕
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『マリ…、オザワ麻理、小沢麻理…』
真っ暗から真っ白な世界に…
『おい、小沢麻理!』
アタイ『いやん、千代って呼んでよ武志〜』
ウフフッ
『寝ぼけるな、ワシじゃ、慈々(ジジ)じゃ』
慈々?→ジジイ?
ジジイ!?(驚)
アタイ『ジジイ!なんでここに!…ここは…あたいもしかして死んだん?え?死んだん?』
マジかよ!(泣)
『相変わらず慌ただしいヤツじゃな、心配するな、お前さんは今、仮死状態じゃ、しばらくすれば戻れる』
『仮死状態?』
『そうじゃ、死にかけじゃが、死んではおらん、一般的に言う臨死体験てやつじゃ』
『臨死体験て…川の向こうにお花畑が見えて…って聞くけど』
『それは迷信みたいなもんじゃよ』
『臨死体験て、こんなジジイに出会うだけかよ!』
ろくな体験じゃねぇな。
『なんじゃと?』
『いや、別に…ところでジジイ、なんでこんな時間におるん?夜の7時〜12時までのパートじゃなかったっけ?』
『パートじゃないわい!最近はワシも特別任務を任されるようになってな…フッフッ』
『なんじゃそりゃ』
『まあ、聞け!』
ジジイの自慢など、どうでもええんやけど…。
『へいへい』
『ワシもいろいろと実績を残してきたからな、好きな時間に気軽にボランティアでもしながら、リフレッシュしてくれと言われてな』
タダ働きかよ!
1日5時間の仕事でなにがリフレッシュだよ!
『それのどこが特別任務だよ!』
『フッ…お前さんにゃ分かるまい、上司が言っておったわい、仕事をこなしながらも余裕を持ち、リフレッシュできてこそ一人前ってな』
分かりたくねー。
ジジイ…きっと邪魔者扱いされてるんやな…。
『じゃあ夜の、死者が生まれ変わる為の案内人はもうしてないん?』
『しておるよ、たまに』
『たまにって…』
『これまた上司が言っておった、部下を信じて仕事を任せれてこそ、一人前ってな』
もうホンマにクビやな…
既に半分クビ状態やがな。
『ジジイ、自主退職を勧めるよ』
『なにを言っておる、これは特別任務じゃ、お前さんと話しとるヒマなどないわ!あ〜忙しい、忙しい』
『リフレッシュ中だろ!』
『あ、そうじゃった』
ダメだこりゃ…。
『で、ボランティアって?生まれ変わる案内人の仕事意外になんの仕事があるん?』
『そうじゃなぁ…ん〜』
『ないんかよ!』
『あるわい!お前さんに難しいことを言っても分からんだろうと思ってな!例えば皆の仕事ぶりを監視したり…』
『暇人か!』
『なにお〜(怒)世界の監視もしておる、たまに下界に降りてな、人間に紛れ込んだり、動物に紛れ込んだりもしてるんじゃ!エッヘン』
『下界に!?』
『そうじゃ、ワシならイケメンの顔も体型も選び放題じゃからな、下界でモテモテじゃ!ワハハハッ』
ただの遊びやんけ!(怒)
『本当に…自主退職を勧めるよ、ジジイ』
『それでな、下界でな…キャバクラに…』
『人の話しを聞け!』
エロジジイ!エロジジイ!