ふんけり図書館

□人生いぶし銀〔3巻〕
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家族と別れたオイラは武志の実家を目指して走った。


走って、走って、走った。







寒いんだよ!走ってないとさみぃ〜。


コタツで丸くなりたいよぅ。


武志の実家は少し離れてるけど、猫のオイラは道なき道を通れるので、案外早く武志の実家に着けそうだ。


人の家の庭も入り放題。

便利な体だな。




武志!今、行くよ!




ドキドキドキドキ…


ついに、武志の実家の前に来てしまった。



武志の車ないなぁ。


仕事か?


ここに住んでないのか?





とりあえず庭に潜入する事にした。


コソコソ…





窓から家の中を覗いてみた。


あっ!

『お義母さんだ!』



そこにはオイラの姑になるハズだった、お義母さんがいた。




あぐらかいて煎餅食ってるし…。

結婚の挨拶の時は…上品そうに見えたけど…。



まぁ…お互い様やな。


鳴いてみるか…



『お義母さん!お義母さん!お義母さ〜ん!オイラ、千代だよ〜千代だよ〜、お義母さ―――――――ん!』

ハァハァハァ



あっ!お義母さんと目が合った。




ありえないヒョウ柄の服を着たお義母さんが、窓に近づいてきた。


その服どこで買いましたの?ヒョウの顔までプリントされてますけど?



お義母さんが窓を開けた。







あの…、あの…
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