ディシディア シャイニング・ファンタジー

□第1章 魔獣の咆哮
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 「【なさねばならないこと】があるって言っていたけど……」
 2人はそれぞれ述べるが、その真意は図り切れていなかった。それは他の皆も同様であるが……。
 「私は、この戦いに勝とうと思っている。勝てば、全ての記憶が取り戻せて、元の世界にも帰れる。みんなと同じように、私もそう信じている
 でも、この世界でしばらく過ごしてきて、この戦いの終わりが、本当に元の世界へ帰ることに繋がるのか、勝利が何の意味もないものだったとしたら……そんなふうに、考えることがあるんだ」
 「……ライトニングさん」
 普段からは想像できない弱々しい姿に、ベウスは戸惑い、カインは黙っている。
 「おや〜、ライトニングさんの意外に弱気な面を見ちゃったなぁ」
 そこにラグナがやってきて、ライトニングが動揺を見せる。
 「ほら、みんな行こうって歩き出してるぜ」
 ラグナの言うとおり、彼と一緒にいた戦士たちは聖域に向けて歩き出していた。
 「今度はあんたが先導するんだろ?俺にまた任せる?」
 「それだけはない」
 ライトニングの即答に、ラグナは笑った。
 「大丈夫だって、何とかなる。何があったって、命さえ落とさなきゃ絶対にさ」
 「散々道に迷ってきたラグナの言う言葉だ。信じるに値するだろう」
 「カイン?」
 「2人の言うとおりだ」
 ジェネシスは、本を閉じながら言った。
 「2人って……ジェネシス?」
 「行くぞ。戦いはまだ終わっていないのだからな」
 何か物申したい様子のラグナだが、ジェネシスは気にせずに立ち上がって歩き出した。
 「俺の声、聞こえてます?」
 そして、他の皆も歩き出し、ベウスも歩き出したのだった。

 ライトニングの先導のもと、ベウスたちはようやくコスモスの元にたどり着くことができた。
 他の戦士たちはすでに集まり、今、全ての戦士がそろった。
 それを確認し、コスモスは事を始めた──。
 コスモスから光が放たれ、戦士たちを包み込む。
 戦士たちはその温かな光に、戦いの疲れが癒されるようであった。
 そして事は終わり、戦士たちは新たな決意を胸にそれぞれの戦いに向かった。
 コスモスは、どこか悲しそうにそれを見送った。

 コスモスから放たれた光──それは戦いを終わらせるために戦士たちに託された力。今はまだ彼らの中で眠り、やがてクリスタルとなる。
 そして、戦士たちは神の力を手にすることになる。
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