ディシディア シャイニング・ファンタジー
□序章 神々の戦い
2ページ/6ページ
「どのみち、信じて共に戦うしかないということだ」
(僕らに選択肢はない、か……)
また考え込むベウスに、ジェネシスは声をかけようとしたが、その前に別の声がかけられた。
「気をつけろ、敵が来る!」
光の戦士からの知らせを受け、戦士たちは2人1組で敵の迎撃に向かった。
ベウスは、ジェネシスと共に劇場艇プリマビスタにやってきた。
「敵は……」
ベウスは、辺りを見渡す。
「来たな」
ジェネシスの言葉と共に、敵は現れた。
敵は、背中に大剣を背負った金髪の男だった。
「攻め込まれかけていたくせに、聖域の近くにいなくていいのか?調和の神が先に倒れでもしたら、お前たちの存在は消えてなくなるぞ」
「敵の心配とは、ずいぶんと余裕だな」
ジェネシスの言葉に、男は特に反応を見せなかった。そんな彼に、別の声がかけられた。
「あなたが戦いに参加するなんて、敵に気になる人でも現れたの?クラウド」
そう言って現れたのは、銀髪の少女だった。
「そういうあんただって同じだろ?フィール」
「フィール……」
その名から何かを感じたベウスだったが、クラウドが大剣を抜いた。
「戦いにきたなら、手を貸せ」
そう言ってクラウドは大剣を構え、フィールは弓を手にした。
「構えろ、ベウス」
そう言って、ジェネシスは剣を目の前にかざし、彼……いや、彼ら特有のまじないを行う。
しかし、ベウスは戦う決意ができていなかった。
その理由は、フィールという少女の存在だった。
(何だろ……何かが引っかかって……)
「ベウス、どうした?」
ジェネシスの声を聞き、ベウスは考えることをやめ、手をかざした。
その手から地に向かって炎が渦巻き、大剣──サラマンダーとなった。
ベウスがサラマンダーを構えると、ジェネシスは言った。
「行けるな?ベウス」
「……はい!」
「いい返事だ!」
ジェネシスが駆け出し、同時にクラウドも駆け出した。
次の瞬間、2人が剣を交錯させ、火花を散らす。
その時、フィールが弓を構えた。氷のようなもので矢を生成し、弦を引く。
それを察したのか、クラウドはその場から引く。それに反応し、ベウスが跳んだ。
そして、ジェネシスに放たれた氷の矢を叩き落とした。