BL小説

□心得えって大変?
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主婦なら一息入れているだろうお昼時、リビングにあるテレビがついていた。

チャラ〜リラ〜

『皆さん今日は毎度お馴染みワクワクビジョンでございまぁす!

今日のお題は…
‘新妻の心得え’
でございます。』

予定通り家事などを済ませお昼ご飯を食べる為夏目はリビングにいた。
軽快な音と共に始まったテレビに視線をむけながら食事をする。

『――――――
―やはり、あの
「お帰りなさいあなた。ご飯にする?お風呂にする?それとも…」
は働く旦那の憧れの言葉だと思います。

この言葉を言うだけでお疲れぎみの旦那様も元気いっぱいですよ!!

もちろん、エプロンは着用してですよ!!

一度試してみてください』

――プチンッ

ご飯も食べ終わり長々と続く新妻の心得えに軽く感心しながら終わりを迎えたと思っていたらテレビがいきなりきられた。

この部屋には夏目の他には夏目を妖から護るように名取から命じられている柊の二人だけである。

「ん?
柊どうした?」

「いや、夏目何故あのテレビを見ていたんだ?」

「あぁ、ついていたから暇潰しに見ていたんだ。

…なぁ柊、名取さんもあの言葉言えば疲れも吹き飛ぶかな?」

「…吹き飛ぶとは思うが余りお勧めはしないな」
(夏目の貞操が危なくなるからな)

「そっか、俺に言われても効き目は期待しない方が良いみたいだな…」
(普段から俳優としての仕事と裏の仕事と大変そうなのに俺は何も出来ないのかな?
いや、ものは試しだよな今日やってみよう)

柊に言われるもやはり日頃から大変そうな名取を思い夏目は試してみることに決めたのだった。


――夕方。

テーブルに出来立ての料理を並べながら時間を確認する夏目。

「今日は名取さん早く終わるって言ってたからもうそろそろかな?」

テレビで言っていたように料理を作りお風呂の準備も万端にしておりエプロンは日頃使っている物の中から名取さんが買ってくれたエプロンを着用済みだ。


「…早く帰って来ないかな」
「夏目、多分もう帰ってくる」

柊の言葉に頷きながら見落としがないか確認する。

カチッ、ガチャッ

鍵の回る音がし扉の開く音で名取さんが帰って来たことが分かった夏目は足早に名取の元へ行く。

「お帰りなさい、名取さん。
ご飯にしますか?
お風呂にしますか?
後は…えっと、それとも俺にしますか?」

名取に聞きながら首を傾げる。

「…な、夏目?!///」
(これはどういうことだ!?
夏目が私に…///
いやこれに乗っては駄目だ誰かの入れ知恵だろう)

反応を示さない名取に不安になり夏目が声をかける。

「…名取さん?
やはり可笑しいですか?今日テレビで『新妻の心得え』ってあって疲れて帰ってくる旦那さんに効くって言ってたんです。
俺がやっても駄目でしたね」

しょぼんと落ち込む夏目に名取は焦り、

「いや、違うよ夏目!
ただ夏目が可愛すぎて驚いただけだ!
もう押し倒しても良いと思うぐらいに
「主様、それ以上は駄目ですよ。
夏目に変なことを言わないで下さい」
…っは、危ない所だったみたいだ。

夏目、では先にご飯にしようもう出来ているのだろう?」

「はいっ、もちろんです。
名取さんの為に一杯作ったんで食べてくださいね」


そしてその日は楽しく終わった―――はず?




心得えって大変?

(柊が居なかったら夏目を襲っていたかもしれないな…)

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