Caution!!!18R!!!




毎日の筋トレはキツイけれど、確実に筋肉が付き体重も増えてきている。
同僚からも、体が大きくなったようだと言われ、苦労の甲斐があったと少し嬉しい。
トレーニングを始めて4ヶ月経った。体重は10kg近く増えたし、身長もあれから5cmも伸びた。

トレーニングルームには毎日決まった時間に顔を出してるので、ミシェルともちょくちょく会う。

明日はようやく休日というので、トレーニングの後ゆっくりシャワーを浴び、不味いプロテインの後の口直しに何か飲もうかと迷っていたら、休憩室にミシェルが入ってきた。

「よう!クラウド!なかなか体も出来てきたようだな!」

「ヒマならオレと出かけない?」と声をかけてきた。クラウドは販売機からスポーツドリンクを選ぶとプルタブを開けた。

「明日は一応休みですけど・・・」一口飲んでから答えると、例によって肩に手を回し頬ずりし、マジマジと顔をみつめる。

「オマエさあ、童貞じゃない?」

いきなり何を言うのかと、飲みかけていたスポーツ飲料がむせた。

「な・なに言うんですか!!突然!!」頬がほてって多分相当真っ赤になっている。

「う〜〜ん、なんていうかね、それじゃマズイんだよ・・・」
よくわからないが、真面目さゆえつい耳を傾けてしまう。

「ウータイなんかに行くとな、色々誘惑があることもあるんだ。そんな時に一々オタオタしてちゃ困る。どしっとしてつまらない誘惑に負けないようにしないと。」
そういわれればそんな気もする。

「ザックスもあれでなかなか遊んでたんだゾ。オマエも少し追いつかないと。」
変な理屈だ。

「まあ、それはともかく、今日はオレに付き合え。いいところに連れて行ってやる。」

もう断りようもなく、仕方ないので身支度をするとミシェルと一緒にトレーニングルームを後にして出かけることにした。



賑やかなLOVELESS通りを少し行くとネオンの派手な路地がある。
ミシェルはクラウドの肩に手を回すと、鼻歌混じりでどんどん奥に進んでいく。

ほとんどどんづまりまで行くと、重厚な木の扉の店の前に出た。

ステンドグラス造りの洒落たカンテラがかかっている。

「会員制なんだ。ま、高級娼館ってとこだな。」

そういうと扉の脇にある小窓のところを覗き込み、中に声をかけた。

ぎぃ〜〜っと重い扉が開き中に招きいれられた。

クラウドは一瞬別世界に来たような気がして目をしばたいた。

暗い赤のビロードのカーテンの向こうには華やかなサロン風の部屋が広がっており、真っ白な毛皮を敷いたゴブラン織りの豪華なソファセットがある。その上には数人の若い女性がゆったり寛いでいる。

「ミシェルじゃないの!!」近くに射た金髪を結い上げた女性が歓声を上げた。

「ちょっと、みんな、ミシェルよ〜〜!」

あっという間に周りを4〜5人の女性に囲まれ、クラウドは気後れして後ずさった。

「久しぶりだね。今日は若いの連れて来たんで、面倒みてやってくれないかな?初めてなんだ。」

気づくと両脇から香水の匂いがつんとする。がっちり腕をとられてソファの方にひきずられるように連れて行かれた。

「ミシェル〜〜、この子、スゴイ美形じゃない!!恋人?」
ミシェルは苦笑いすると、
「残念ながら違うんだ。ザックスの友達。」とクラウドを紹介した。

「そういえば、ザックス全然来てないんだけど、どうしたの?」

「ああ、アイツは今ウータイだ。一年くらいは帰れないな。」ミシェルはどっかとソファに腰を下ろすと、隣に座った金髪の女性に煙草の火をつけてもらいながら言った。

「ソルジャーさんは大変ね。この子はソルジャーじゃないみたいだけど。」

「ああ、神羅の誇るスナイパーだ。大事にしてやってくれ。」

「クラウド、好きな子選んで。」ミシェルに言われて、クラウドは困り果てた。

「選べって言われても・・・」クラウドがためらうと、

「ほれ、金髪がいいとか赤毛がいいとか、胸のデカイのが好きとか好みがあるだろう?オレはもう金髪って決めてるけどさ。」

ミシェル金髪好きよね〜と隣の女性が笑った。

「あなたの髪染めてないのよね?」隣に座っていた小柄な黒髪の女性に声をかけられたのでうなずいた。

「見事なプラチナブロンドね・・・」その女性はそっとクラウドの腕を撫でると、
「私でいい?」と上目遣いで微笑んだ。
クラウドが何も考えず、いいよ、と答えると腕を取り、

「美青年、いただきました〜!」と皆に声をかけて立ち上がると奥の部屋へと引っ張っていく。後ろで嬌声があがる。

「がんばれよ〜〜!」ミシェルが叫んでる。これからがんばることを想像して薄暗い廊下で赤面した。





連れて行かれた部屋は厚い絨毯の薄暗い寝室だ。
天蓋付きの大きなベッドが真ん中にあり、隣のバスルームは壁がガラス張りになってる。

「私、コレット。よろしくね。」小柄な女性はにっこり笑うとクラウドのシャツに手をかけ、ボタンを外そうとした。

「オレはクラウド。あ、自分で脱ぎます。」クラウドは思わずそういって自分でボタンをはずした。

シャツを脱ぎ捨てるとコレットが抱きついて唇を寄せてきた。

「ふ〜〜ん、いい体ね・・・まず、キスはどうか試しましょ・・・」クラウドが両手を背中に回すと唇を合わせる。
柔らかく弾むような感触の唇がゆっくり開くと温かい舌が入ってきた。
軽く吸い上げて舌をからめる。

コレットが溜め息をついた。
「キスは合格。誰に教わったの?ミシェル?」

そういえばミシェルがしょっちゅうキスしてくるので、なんだか当たり前のようにキスしてた・・・慣れは恐ろしい・・
なんて答えていいかわからなかったので黙っていた。

ベッドに二人で腰掛けてもう一回軽いキスをする。

クラウドはふとさっきの会話が気になってコレットに、
「ザックスもここに来てたんだ・・・」と聞いてみた。
コレットは横目でクラウドを見ると肩に頭を乗せ、

「もうずいぶん前の話。来なくなって一年近いかな??噂じゃなんでもスナイパーの金髪の美少年にぞっこんでそれどころじゃないんだって、聞いたけど。」
コレットは自分で話してから、はっとしてクラウドを見つめた。

「あなた、ザックスの友達っていってたけど・・・もしかして・・・」

クラウドはなんと言っていいかわからずに困ったようにうなずいた。

「オレ・・・かも・・・」

コレットはクラウドの首に両手を回すと、
「あなたとザックスとミシェル・・・ちょっとややこしくない??」そういうと小悪魔のように笑い、

「私ね、ザックスと寝たことあるの・・・」とクラウドを挑戦的な眼差しで見上げた。

カチリとどこかで音がした気がした。
その言葉が何かの引き金になり、胸の奥からこみあげるような熱い欲望と痛みが体を満たす。

「ザックス・・・」両手で頭を抱えると自分の髪に手を差し入れる。ザックスの大きな手の感触がまざまざと蘇った。

「どうしたの?」コレットがのぞきこんでくる。黒髪の束がぱさりと片方の胸に落ちた。

クラウドは黒髪の束を片手ですくうと口づけした。ザックスの黒い髪・・・
思い出に胸がつまってきた。コレットを両手で抱きかかえるとそのままベッドにもつれこみ、薄いブラウスを脱がせる。
肌から湿り気を帯びた熱が、甘い肌の匂いとともにあがってくる。ザックスもこの匂いを知ってる。

コレットは下着を手早く外すとベッドサイドに投げた。
片手でコレットを抱えたままズボンのジッパーを下げると、コレットの手が待ち構えていたように中に滑り込んだ。

コレットはすでに勃ち上がったものを軽く愛撫し、巧みにズボンを脱がせた。

クラウドは、コレットの上にのしかかると豊かでこぼれるような乳房に口づけをし、薄桃色の乳首をじっくり舐めあげ、甘噛みする。ザックスも舐めただろう、きっと。
コレットの息が荒くなってきた。両手で柔らかくたわむ乳房を揉みしだき、唇を喉元にはわせる。そう、ザックスもあの大きな手でこの弾力を味わったに違いない。
肩と首の境目あたりにキスをして強く吸う。ここにも、肌の奥にザックスの跡が残ってるかもしれない・・・
コレットの温かくすべらかな腹の上で手を遊ばせ、徐々にふっくらとし下腹へと手を伸ばしていくと、
そこは溢れるような蜜に満ちている。ザックスはここに確かにやってきたんだ・・・

コレットがクラウドの腰を自分に強くひきよせ、片手できつく勃ちあがったものを誘いこむ。
それはそのまま深く沈み込み、コレットは吐息をもらした。

このまま・・と思ったのに何かが違う。片手をクラウドの首にまきつけ喉仏を舐めながら、コレットは違和感に気づいた。
クラウドの目がどこか遠くを見ている。快感に震えながらも瞳の奥に苦悩のような、哀しみに似た色が走る。それはほんのわずかなものではあるが、快楽の絶頂の男の目の中にはないものだ。

動きは早くなり、クラウドの両手が背中の下で爪をたてる。

「ああ・・・」うめくような声とともにクラウドの動きがとまり、
コレットは目のくらむような突き上げる感覚とともに全身の力が抜けた・・・

荒い息とともに仰向けになる。コレットが横を見ると、薄闇に白く彫刻のような横顔が浮き上がっている。

全身が大理石の彫刻のようだ。神様がこっそり隣に寝にきたって言われても信じてしまいそうな・・・

「クラウド・・・」半身を起こし、ひっそりと声をかけるとゆっくりこちらを向く。
何かを嘆いているような哀しそうな瞳でコレットを見つめる。


「どうしたの?何が哀しいの?」コレットは色々勘ぐらないで、はっきり聞いてみようと、クラウドに声をかけた。

クラウドはしばらく黙ってじっとコレットを見上げていたが、ぼそりとつぶやいた。
「オレは何も知らないバカな子どもだったって。自分のことしか考えてなかったなって思うのが哀しいんだ・・」

クラウドは優しげに見下ろしてくるコレットの下で久しぶりに素直な気持ちが戻ってくるのを感じた。
この胸の苦しさを少しでも外に出せたら・・

「オレはザックスが好きなんだ・・・」

「オレはおかしいんだろうか??今ザックスの跡を追ってた・・・」

「どうしたらいいか全然わからない・・・」

コレットは、この迷える少年が愛しくなり、頭を胸に抱え込んだ。母親になった気分だ。

「今もコレットがザックスと寝たなんていうから急に変に興奮したような気持ちになった・・・ごめん。」

コレットはクラウドの顔中に口づけした。なんて可愛いんだろう!!!

「いいのよ。今日はゆっくり私と寝ましょう・・・ね?ミシェルは今日お泊りって言ってたから。」

「ミシェルにもどう接していいかわからないよ・・・」クラウドが言うとコレットは
「ミシェルは大丈夫よ。大人だもの。自分のしてることくらいわかってるって。きっとあなたが可愛いのよ。」そういいながら髪を撫でた。

クラウドは温かくて柔らかい体を抱きしめると、なんだか少しほっとしたような気持ちになった。
ゆっくり考えよう。

今に運命の歯車が回りだす時が必ず来る。

その時には、今度こそ、今度こそ間違えないようにしよう・・・

肌のぬくもりに包まれて、久しぶりに夢も見ずひきずりこまれるように寝入った。

コレットは窓からの薄明りに照らされた完璧な美貌に溜め息をついた。
額に口づけし、自分の凄まじい魅力に気づかない純な魂に祝福を与えた気分になった。

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