ミッドガル雑記;ミッドガルの12ヶ月

□2011/7月七夕
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この夏、ミッドガルを今世紀最高の暑さが襲った。
毎日神羅ビル屋上の電光掲示板は日中の最高気温を更新し、このままでは海は干上がり世界が燃え上がって終末がくるのだ、なんてかしましく騒ぎ立てる新興宗教まであちこちで興った。
道路には陽炎がゆらゆらし、犬すら道を歩いていない。アスファルトはあちこち溶け、雑草もすべて枯れ果てた。
どの建物も目一杯エアコンを効かせ、企業から一般の家庭にいたるまでが設定温度をドンドン下げた。

その結果……
魔光エネルギー供給が限界に達し、パンクした。

ほとんど全てのエネルギーを魔光に頼っていたミッドガルは大混乱、翌日なんとか復旧したものの、魔光エネルギーは枯渇してしまい、今までどおりの供給ができなくなってしまった。
そんなわけで神羅は徹底した「省エネ」を推し進めることにあいなった。


もちろん、ザックスとクラウドが住んでいるソルジャー棟も例外ではない。
部屋の照明は常に一世帯一ヶ所しかつけられないように設定された。
そして、最大のエネルギー消費源であるエアコンには全てロックがかけられ一定温度以下に冷やすことはできない上、使用時間に制限が設けられた。

熱帯出身で暑さに強いはずのザックスもこれには参った。
しかし、なんと言っても一番参ったのは、北国出身で元々暑さに弱いクラウドが、萎れた花のようにぐったりしていることだ。
額に濡れタオルを乗せ、食欲も失せて横たわってるクラウドを見て、ザックスは拳を握り締めた。
クラウド、オレがなんとかしてやる!と。
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