普通にザックラ〜ミッドガルの日々

□神羅ビルでザックスにばったり会う
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新人の仕事として、神羅の本社ビルの警備があるんだけど、来週いきなり行ってワケがわからないのもイヤなので、昼間の空き時間に本社ビルまで足を伸ばしてみた。

出入り口は全部ICカードチェックなので、そうそう変な人物は入り込んでこないけど、(というか、本気で入ろうと思ってる連中はこんな入り口ではひっかからないだろう)一応不審人物かどうかのチェックはキチンとするよう先輩に言われた。

入り口のところで機械の説明を受けていたら、見たことのある黒髪のソルジャーがICカードを通して入って行った。

「あ、ソルジャーのザックスさんだ。また統括のとこに叱られに来たんじゃない?」警備兵が楽しそうに言った。
知り合いなんです、ってなんだか恥ずかしくて言えなかった。
ザックスを知らない人なんていないんじゃないかな?オレはザックスの一万人くらいいる知り合いの一人かも。

警備兵が、もういいから少し中見てったら、というのでお礼を言ってザックスを追いかけようかと思った。

ザックスはなんだか急いでるみたいで、うつむき加減で大股ですたすた歩いて行く。

声をかけそびれ、やっぱり今日はやめておこうって思いなおし、神羅のショールームの方へ向かった。
ザックスは黙っているとソルジャー独特の物騒な雰囲気が漂っていることがある。今もなんとなく近寄りがたい。

ショールームの入り口に差し掛かった時、後ろから

「クラウド!!」と声がかかり、ザックスがこっちに向かってきた。オレに気づいたんだ・・・
オレを見てにこにこしてる。笑顔は本当に魅力的だ。こういう風に笑えたらいい。

なんでここにいるか聞かれたので、来週からの警備の下調べに来たんだって言ったらちょっと驚いてるみたいだった。

一緒にショールームで神羅のバイクだの車を見てまわった。ザックス、急いでたんじゃないのかな、と少々心配になる。

オレはここにあるバイクを雑誌でみかけたので、実物を見たくてここに来たっていうのもあるんだ・・実は。
新型のエンジンを搭載した大型バイクには惚れ惚れする。いくら見ても見飽きない。
乗ってみたいなあ・・・と思って見ていたら、いきなりザックスに乗りたい?って言われてびっくりした。

なんだかその辺の自転車にでも乗るような気楽な調子だったんで、最初は冗談かと思った。

「もちろん!」と答えると、実は試乗を頼まれてるんだ、と言う。

オレにはちょっと乗りこなせないだろうけど、ソルジャーなら大丈夫だろう。
ザックスが一緒に乗ろうって言ってくれた!本当にいいんだろうか??オレまで乗って・・・

これからソルジャーの統括のところに行くそうだ。
ザックスって本当はかなりすごいソルジャーなんじゃないかな。
神羅のソルジャー統括って言ったら、VIP中のVIPじゃないか・・・

オレとは世界が違うんだなぁ・・・

後でメールするって言ってくれた。ザックスにこんなに良くしてもらってもオレには何のお礼もできない。

ああ、でもこのバイクに乗れたら最高だなあ・・・

しばらく待っていたけど、時計を見たら最後の講義の時間ギリギリになってしまった。
ザックスにメールして帰ることにした。

本当に試乗できるんだろうか??
期待しすぎるとうまくいかない時がっかりするんで、あまり楽しみにしない方がいいかもしれない。

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