普通にザックラ〜ミッドガルの日々

□神羅ビルでクラウドを見かける
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自分はさっぱりした性格だと思っていたのに、このしつこさは何なのだろう?
明けても暮れても考えることはただ一つ。
クラウドに会いたい・・・そればっかりだ。
まるっきり病気だ・・・自分の気持ちが果たして何なのか、よくわからない。

この前は一般兵の食堂で会えて、本当によかった。
そうは言っても毎日行くわけにも行かない。ストーカー扱いされて気持ち悪がられたら元も子もない。
そんなこと考えてベッドでゴロゴロしてたら、カレンダーについた赤い丸印に気づいた。
ヤバイ!前回の遠征報告書の期日は今日までじゃないか!!
この前すでに期日遅れで注意を受け、泣きついて今日にしてもらったんだった・・・
アブナイ・・・クラウドに心を奪われすぎてて忘れてた・・・

焦って飛び起きると、デスクの前に座った。
クソッ!!なんて汚いデスクだ・・・とりあえず目の前だけスペースを開け、前回の遠征の報告書を急いで書く。

こういうレポート類は本当に苦手なんだ。特に後味悪い遠征の後は余計書く気がしなくなってすぐ放置してしまう。

ともかく必要最低限のことだけ書いて、鞄にしまう。10分で書けるものをオレは2週間も放置してたわけだ。
早く本社ビルに行かないと・・・



本社ビルの入り口でICカードを通し、報告書のことを考えてちょっと憂鬱になりながら一階のフロアを歩いてたら、目の端に見たことのあるような金髪がちらりと見えた。
神羅のニューモデルの展示場の方へ向かって行く。

クラウドだ!!

神様!ありがとうございます!あまりに毎日クラウドに会いたくて悶々としてたんできっと神様がオレを可哀そうに思って会わせてくれたんだ!

報告書はまああと10分や15分遅れたってどうってことない。統括を待たせてもちょっと叱られるくらいだ。
まずはクラウド確保だ。

「クラウド!!」声をかけるとゆっくり振り向く。オレがいたのを知ってたみたいに。

「どうしたの?今日はここで仕事?」

「うん、来週このビルの警備に来ることになってるんで、下見がてら色々聞きに来たんだ。時間が余ったから神羅の新しい車とかバイクを見てから帰ろうかなって。」

そうか、新人の一般兵はよくここの警備に狩りだされる。ということは来週はクラウドはここにいるのか。ちょっと嬉しい。
クラウドは車やバイクは結構好きみたいだ。

オレときたらヒマでもないくせに、
「オレもヒマだから、ちょっと見てみようかな。」なんて言って一緒にショールームに入っていった。統括待たせてるよ!!オレは・・


神羅の技術力はたいしたものだ。多分世界最高のメカがここに展示されてるんだろう。
クラウドは神羅の開発中のバイクに見入ってる。まだ名前はないが、hD−92型といわれてる大型バイクだ。

「すごいバイクだね。」溜め息つきながらじっと見てる。総排気量1160ml、VE4ーGe型油冷4気筒DOHCエンジン搭載。
航空機開発で生み出されたエンジンだ。
もしかしたら、これって、この前試乗しないかって統括に言われたバイクじゃないかな?
あの時は面倒だったので生返事しておいたけど・・・

「クラウド、このバイク乗りたい?」一応聞いてみる。

クラウドは目を見開いてしばらく絶句していたが、
「もちろん!」と答える。

「オレ、こいつの試乗頼まれてるんだ。パワーがでかすぎるし、怪物的トルク数を出すから、危ないんだそうだけど、オレと一緒ならいいかも。どう?」

「ソルジャー向きのバイクってこと?」ちょっと心配そうな顔をしてる。

「そういうわけでもないと思うんだけど、試乗には頑丈そうなのを乗せようって思ってるんじゃない?」

クラウドが、ちょっとだけでも乗ってみたいって言うんでつい調子にのって

「オレ、これからソルジャーの統括のところに行くんだけど聞いてみるな。」とか安請け合いしてしまった。

クラウドの頬が紅潮してる。バイク好きなんだなあ・・・

「じゃあ、これから上行くんで、聞いてみる。後でメールするな。」

クラウドは嬉しそうににっこり笑うとしばらくここにいる、というので、急いで部屋を出て統括のところへ行った。

思ったとおり、約束の時間に15分も遅れた。
いつものように叱られたが、なんだか浮き浮きしてるので、全然こたえなかった。

遅刻して期限切れの不出来な報告書をだしたくせに、バイクの試乗のことをお願いしてしまった。
統括は呆れてた・・・

「ザックス、オマエってとことん図々しいね。」
そういいながらも笑ってオレにキーをくれた。管理部門に声かければいつでも玄関前に出しておいてくれるそうだ。

きちんと試乗の感想も書くよう言われた・・・クラウドに書かせようか、と悪魔が囁いた・・・

挨拶もそこそこに急いでショールームに戻ったら、もうクラウドはいなかった。
がっかりして携帯を出したら、着信があった。

これからまだ講義があるので帰るとのことだ。真面目だな。

バイクの試乗できそうなので、都合のいい日を教えてくれとメールうっておいた。

クラウドとバイクに乗るなんて、楽しみだ!

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