普通にザックラ〜ミッドガルの日々
□食堂におしかける
1ページ/1ページ
クラウドからお礼のメールが来た!律儀だな。
このメールが消えないように、保存にしておく。
またそのうち誘いたい。
シャワーを浴びてからべッドに寝転ぶと、クラウドの頬を紅潮させた顔とか、笑いころげた時のちょっと子どもっぽい顔が目の前に浮かんでくる。
ああ、もう会いたくなってきた。髪の匂いを思い出す・・・
さすがに明日すぐ誘うのもなんだ。
どこかでばったり会えるといいな・・・クラウドのスケジュールを確認しようと、この前本部のPCからコピーして印刷したクラウドの所属連隊の日程表を寝転んだまま眺める。
色々調べたけどなかなかいいタイミングをつかめそうな日がない・・・
ああ!面倒だ!
今度思い切って一般兵の食堂にでもメシ食いに行くか!となんだかもうヤケクソな気分だ。
どうってことない。前はいつもあそこで食べてたじゃないか。
気紛れでたまに食べに行くヤツもソルジャーにいるし。
よし、オレも近々一般兵の食堂に行こう。
そんなわけで、あれから三日ほどしてからだけど、昼飯を食いに行ってみた。
誰か誘おうかとも思ったけど、クラウドがいた時にバツが悪いから一人で行ってみた。
食堂のおばちゃんはオレのこと覚えてた・・・
「よ!おばちゃん!お久しぶり!」挨拶をして食堂に入っていった。
「まあ〜!!ザックスじゃないの!!どうしたの?」
「おばちゃんのメシが久しぶりに食いたくなって、近く通ったから寄ったんだぜ。」
なんだか行き当たりばったりだけど、それなりの理由だ。
「嬉しいこと言ってくれるわね〜!!サービスで大盛りにしてあげるね!」
気がついたら、結構本気で山盛りのランチをばくばく食ってた・・・・
うん、意外に美味い。なんだか最近ちょっと垢抜けたものばかり食ってたから、こういう素朴にボリュームのある料理もいいもんだ。
かなり腹が減ってたので、食堂の隅でつい夢中になって食い始めた・・・いつのまにか周りがざわめいてる・・
「ザックスじゃない?どうしたの?なんでこんなところで食事してるの?」
いきなり後ろから声をかけられた・・・
振り向くとクラウドが同僚と一緒にお盆に乗せたランチを持って立っている。マジで驚いた。本当に声かけてくるなんて・・・
「よお!近く通っておばちゃんのランチが懐かしくて、ついね・・・」
「隣で食べてもいい?」クラウドがためらいながら聞く。
いい?って何!!そんな事聞かなくてもクラウドが隣で食べてくれるなんてもうここに来た甲斐があったというものだ。
「おお、一緒に食おうぜ!!ここのメシもボリュームあって結構美味いよな。」
そういうとクラウドはふきだして、
「ザックス、すごい大盛りだね。まだ足りないならオレの肉も半分食っていいよ。」クラウドがナイフで切ってオレにくれようとする。
「いいよ、オマエはまだ成長期だ。沢山食べないとな。」本当はもらいたかったけどぐっと我慢。
「もしかしたらクラウドにも会えるかもしれない、って思ったんだ。」つい本音が出てしまった。こっちが本当の理由だから。
クラウドはフォークで刺したマカロニを口に運びながら、顔を赤くしてオレをチラっと見たけど何も言わなかった。
もしかしたら気持ち悪がられてないか?少し心配になった。
それでも二人で並んで話しながら食べた昼飯は本当に美味かった。味じゃないな、メシは・・・
おばちゃんがやってきて、オレとクラウドにプリンをくれた。
「せっかくザックスが食べにきてくれたんだから、オマケね。こっちのお友達にも。」
いやあ、たまには来るもんだ。なんだか色々懐かしかった。皆とわいわいつるんでた一般兵時代を思いだす。
ソルジャーになってからそういうことが少なくなってちょっと淋しかったから。
「今度オレんち来いよ。いい酒もあるし、珍しいツマミもあるから。」クラウドの肩の力が抜けてきたんで、思い切ってさりげなく誘ってみた。
クラウドはぎょっとしたような顔を一瞬したが、にっこりして、
「ありがとう、ザックス。楽しみにしてるよ。」と言いながらコーヒーをついでくれた。一般兵食堂のなつかしくも不味いコーヒーだ。
クラウドは砂糖とミルクを入れて飲んでる。オレは甘いのが苦手なので、いつもブラックだ。
香りの薄い、焦げたような味のコーヒーもクラウドと飲むと美味いような気がする・・・
今度は部屋に遊びに来てもらおう。
でもその前にもっと会いたい。
クラウドに、たまにここに昼食べに来るな、といって別れた。
クラウドと一緒に食べればなんでも美味いこと発見、というか味がわかってないんじゃないか?オレは・・・