普通にザックラ〜ミッドガルの日々

□初めて飲みに行く
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ザックスに食事をおごってもらった。会計を横で聞いててちょっと驚いた。かなりの額だ。
ザックスは平気な顔で支払いをしてる。本当に世界が違うんだなってちょっと悲しいような気になる。

お礼を言って、もう帰ろうかと思ってたら、ザックスが一緒に映画を観ないかと誘ってきた。
映画までおごってもらうと悪いけど、もらったチケットだというので安心した。
この映画はカーチェイスがすごく迫力があるんで観たかったんだ。
乗り物酔いするくせに車とかバイクはわりと好きで、TVでもカーレースをやってるとつい見入ってしまう。

ミッドガルで一番大きい映画館に連れてこられた。

ザックスは慣れてるみたいで、飲み物何がいい?というのでジンジャーエールと答えると、ポップコーンも一緒に買ってきてどかっと座席についてぽりぽりつまんでる。
オレにも薦めてくるけど、食べたばかりでとても入らないので断った。
ポップコーンを一生懸命食べてるザックスはなんだかちょっと少年っぽくて、とてもソルジャーには見えない。
「あ、全部食っちまった・・・」といって悪そうにオレの方を見た。
その表情がなんだかいたずらっ子のようだ、口の端にまだポップコーンのかすがついてる。一瞬取ってやりそうになった。
何考えてるんだ、オレは。

映画は結構面白くて夢中で観てしまった。ストーリーより、映像の迫力に圧倒された。
ザックスは最後の方はぼんやりしてるみたいであまり観てなかったみたいだ。疲れてるのかもしれない。

映画館を出て、早く帰ったほうがいいんじゃないかと思ってたら、ザックスから飲みに行こうと言われたので困った。
飲みに行くと門限八時にひっかかる。
その話をしたら大笑いされた。
誰も守ってないって・・・・
そういえば隣室のヤツも、遅くに帰ってきてることがあったっけ。
自分は付き合いが悪くて、あまり夜誘われることもないので知らなかった・・・

八番街の方にある、ちょっと小奇麗なスナックに連れて行かれた。
ザックスは常連のようだ。
ビールを飲みながらザックスがミッドガルに来たばかりの頃の話を聞く。

オレに気を使ってるのか、面白い話をたくさんしてくれた。
ザックスもオレと話してるとほっとするって言ってくれてドキドキするくらい嬉しかった。
ザックスは本当に憎めない人だ。

友達になってくれると嬉しい。ザックスは
「もう友達さ。」と軽く言う。
ザックスの沢山の友達の一人になれるだけでもオレにとっては大変なことだ。

宿舎の警備のオジサンまでザックスを知ってるのには驚いた。
本当に有名人なんだ。

別れる時に、またな、って言われた。

また誘ってくれるのかな?なんだかおごってもらってばっかりじゃ悪い気がするけど。

ザックスにまた会いたい。

ミッドガルに来て今日は一番楽しかった一日だった。後でお礼のメールを送っておこう。

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