TTK小説置き場
□孤神光闇外伝:暗中飛躍
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ええと。
うん、僕は訳あってあまり外に出られない。ついでに名乗れない。
暇なので、日記をつけることにした・・・。
2XXX年 多分四月一日。 天気晴れ。
初めての日記になる。
後で読んだらきっと恥ずかしいんだろうな。
最初に僕の名前。
孤神の息子・・・そうだ。
とりあえず、ジュニアとでも名乗っておこう。
いや、そんなことはいいや。
初日だから、僕の家のこと、家族のこと、仕事のことを紹介しよう。
僕の家系は代々表と裏の家業を持っている。
まず表は、喫茶店。代々『白き狐』はこの店を手伝わなければならないんだけど
僕は一度も手伝ったことが無い。
『訳あって』ということで説明は省く。
そして裏。『孤神』という悪の中の正義を貫く怪盗の役目がある。
さっき書いた『白き狐』とは、その役割の一つ。
孤神は、実動犯:『白き狐』
隠密犯:『黒き狐』
そのほかに、『白銀の狐』とか、『赤き狐』とかが居るらしい。
僕は六代目の『白き狐』になる予定だ。
その予定、のところの説明も「訳あって」で省くことにする。
今の「黒き狐」のことを書いておこう。
六代目『黒き狐』は僕と同い年のイトコ。
名前はスズカ。漢字は・・・・えーっと。
難しくて解らない。
彼女には「訳あって」が存在しないので、既に仕事をしている。
こんなことを書いたと知られたら、多分怒られるだろう。
彼女の特技は、目にもとまらぬ速さでつまみ食いができること。
これは、四代目が発見したことらしいんだけど
孤神の修行をしているとつまみ食いを堂々とやっても気づかれなくなるようです。
因みに、僕もできる。
現在活動中の「白き狐」は僕のお父さん。
詳しいことは書くなといわれているので、割愛。
そして僕のお母さんは、喫茶店を切り盛りしているしっかり者。
お父さんもスズカも金銭感覚が微妙なので(多分札束とか見慣れてるからじゃないかな)レジの座はお母さんのもの。
今日はこんなところかな。
「ふう・・・。」
少年・・・自称ジュニアは日記を閉じ大きな溜息をついた。
「大きな溜息ついて何してはるの?・・」
名前を言われそうになり、急いで遮る。
「僕はジュニアだ!・・・今は。とりあえず・・・。」