TTK小説置き場
□狐神光闇
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―プロローグ―
夜の暗闇の中そこに溶け込むように立つ・・・
黒い燕尾服の少年がいる。
「こんばんは。僕はフィーネといいます。」
フィーネは持っていたジッポライターで、
南瓜でできているランタンに火をつけた。
「ところで、『正義』と『悪』って、何だと思いますか?」
微笑。そしてジッポライターをしまう。
「世の中には四種類・・・
『正義』と『悪』があります。
一つ目は、『正義の中の正義』
二つ目は、『正義の中の悪』
三つ目は、『悪の中の悪』
そして、四つ目は
『悪の中の正義』
この物語の主人公の少年は四つ目の正義を持っています。
しかし、副主人公の少女は一つ目の正義を持っているのです。」
フィーネは、少し首を傾ける。
「この二つは、相反する考えで・・・とても矛盾しています。
きっと、どちらが正しいとも、
間違っているとも言えないでしょう。
相反する考えの二人は・・・
ぶつかり合うのでしょうか?
それとも・・・・。」
フィーネは少し歩き、川辺へ。
そして、南瓜のランタンを流してしまう。
「二人は、どうなるのでしょう?
あなた自身の眼で、見届けてください。」
南瓜のランタンの火が消え、また辺りは暗闇に。