TTK小説置き場

□孤神光闇なクリスマス
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プルルル・・・
『昼間』の人が賑わう喫茶店。

そう。翔太の家である。

『昼間』にもかかわらず、『夜』専用の携帯電話が鳴った。


相手は・・・

―――孤神光闇なクリスマス―――

「あの、僕仕事してたんですけど。」
その『相手』に少し怒っている口調で言った。
『すいません、四代目。』
「・・・四代目はやめてください。僕は翔太です。『今』は。」
『じゃあ、翔太。
・・・一つお願いがあるんですけど。』
「・・・え?」

店が少し空いてきた頃。
翔太は母に許可を貰い、瀬南とともに聖斗の家・・・

つまり、樹里亜の家に来ていた。

幸い・・・とでも言うべきか。
樹里亜は現在外出中であった。

「まあ、座ってください。」
言われて、二人は適当なところに座る。
「で、僕らにお願いって何ですか?」
いきなり本題に入る。
「実は・・・」
聖斗は部屋の隅にある、黒いものに視線を移す。

二人もその方向を向く。
「監視カメラ・・・。」
瀬南が呟いた。
「そうです。お嬢様は僕が孤神の仲間ではないかと疑ってるんですよ。」
「疑いを解く手伝いをしろって言うんですか?」
「違いますよ。
・・・僕は、旦那様からお嬢様のクリスマスプレゼントを渡す役を命じられているのですが・・・」
「ちょ、ちょっと待って。」
止めたのは、翔太である。
「それと僕らに何の関係が?」
「質問は全部聞いてから、です。
・・・・実はお嬢様、まだサンタクロースを信じているんです。
だから僕はサンタのふりをして、いつもプレゼントを。」
「樹里亜の夢を壊したくないってコトですか。」
納得したように、瀬南が小さく言った。
「そうです。お願いします。」




―――怪盗の孤神が、与えるサンタクロースか・・・


翔太の心中は、複雑だった。
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