リクエスト小説置き場

□孤神光闇外伝:紫電一閃
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 「寿々歌、どうしたの?」

三代目が、寿々歌に声をかける。


「何か、嫌な予感がするっているか・・・・
なんか・・・・よくわからんけど・・・」

「私も同じ気分だわ・・・。
・・まさか、『あのこ』ヘマやったわね。」

三代目はスっと立ち上がる。

「行くわよ、寿々歌ちゃん。」


寿々歌は突然のことにキョトンとしつつ、


「はい、わかりました。千帆さん。」



と返した。









「あの、アックス。」

緑色の瞳の少女、シルキィは床で寝ているジュニアに目を向けつつ言う。


「なんだ、シルキィ。」
対するアックスは、顔の半分が包帯で覆われている。

「わたしはこんな子供に手を出すのは・・・ちょっと・・・」

「言うなシルキィ。
俺だって心底悲しいんだ。・・・所詮正義なんて安いもんだ。
悪党が平気で正義という名の横暴を引っさげてんだからな・・・・。」


「また正義の議論か。」
「イクス。」
「それはこの子も同じだよ。
悪の中の正義という精神と戦ってるんだから。」


ポツリと、シルキィが呟いた。


「・・だから、身体データをほしがるのね。」















『ふぅん、あんた・・・・・っていうの。
うちは寿々歌。今度から相棒になるんだから、よろしくね。』


「うわぁ!?」


ジュニアは飛び起きた。

夢の中でも本名を呼ばれたのは久しぶりだった。


「・・・あ、起きたのね。」
「あなたは確かあのときの・・・」
「そ。藪医者のシルキィ。」

「なんで貴方が・・・?」
「移動したのは貴方のほう。
『ジュニア』君。昔を思い出す?」

「・・・残念ながら、あのときのことはほとんど覚えていないんです。
・・・だれかさんが散々頭をいじくりまわしてくれたお陰で。」
「そうだったわね。
でも、私達はただの飼い猫。偉い人の目的はよくわからないの。
唯、孤神の子の身体データを取れと言われただけ。」


前のは四代目に焼かれたのよね。


その呟きを、ジュニアは聞き逃さなかった。
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