Miyabiの図書室

□あなたへの想い
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「あの、ここの常連さんですか?」


珠美が尋ねた。


「そうねぇ。この1週間は常連かしら。私、この奥に泊ってるのよ。」


智子の話によると、約1ケ月の予定で、1週間前から一人近くの旅館に泊まってい


るらしく、ここのお風呂が、余りにも気持ちいいので毎日来ているらしい。



「でもさ、あんな滑稽なこけ方したの、あなたぐらいのものよ。」


クックと笑いながら、智子は、湯船から立ち上がり、岩にかけた白いタオルを

手にして、軽く顔を拭った。


珠美は、目が釘付けだった・・・。


さっきまで気がつかなかったけど、すごい身体してる・・。

贅肉など全くない、鍛えられた筋肉

括れたウエスト・・・大きいのにしっかり張ったバスト・・


「何、じっと見てるのよ。のぼせるわよ。さ、こっちで休まない?」

智子は、さっさと、露天風呂の横にある少し休憩するスペースに行った。


珠美は慌てた。

(見てたの・・バレてる・・)


智子は、休憩スペースで持ち込んでたお茶を飲みながら言った。


「あなた、仕事は?」


「今は会社辞めてて、次の仕事のために勉強中です・・」


「何の勉強してるの?」


智子は、すっと飲んでいたお茶のペットボトルを珠美に差し出した。


「インドネシア語の勉強です。」


「へぇ〜。また変わった言葉を勉強してるんだねぇ。スッチーか何か仕事って?」


「バリ島のホテルで働くんですよ、来月から。」


「そうなんだぁ〜。やっぱ海外だと何かと大変なんだろうなぁー」


智子は、珠美の手から、サっとペットボトルを奪いゴクッと喉を鳴らして


飲んだ。そして、それをまた珠美に差し出した。


珠美は、えっ?という顔をしてると智子は言った。


「水分とったほうがいいよ。のぼせて、また顔面ジャンプしちゃうよ。クック」


珠美は赤面した。


平気にズバズバものを言うし、結構ぶっきら棒なとこもあるけど、

こういう人好きだなぁって思った。



珠美は、ペットボトルのお茶を飲んだ。
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