Miyabiの図書室

□poison
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 はぁ・・すっきりした。

クーラーを少し低めの23度に設定しているので、シャワーからあがった時の

あのひんやり爽快感がたまらない。さすがに目覚めの悪い私も、目の前が明るく

なる。

白い薄手のバスローブを羽織り、そのまま徐に冷蔵庫に突進する。 

まだ、少し身体がだるいな。。

冷蔵庫から、よく冷えたぺリエ瓶出して一気に半分まで飲み干した。

加奈はソファにゆったりと横になり、昨日の思わぬ出来事を思い出していた。




 加奈は、明日から1週間の連休ために、仕事の整理をしていた。


「社長。今回は長いお休みを取られるんですね。旅行とかいかれるんですか?」


「うん。ちょっとのんびり海にでも行こうかと思ってるの。珠ちゃんは予定立てた

 の?」


「はい。今年免許とったので、友達とバイクでツーリングに行く予定なんですよ」

 
秘書の珠美は見た目、清楚という言葉がぴったりとくるタイプだ。

色白、天然らしいが少し茶色の緩やかなウェーブの髪。きゃしゃな身体
 
の割りには、胸の膨らみもしっかりある。甘いシャンプーの香り・・

女性の私から見ても、かなり魅力的な感じだ。たいていの男性なら、きっと、目に

止まるに違いない。

その珠美から、バイクっていうのは、何だか私のイメージしてる珠ちゃんとは程遠

い。誰かの後ろに乗せてもらってってほうが、ぴったりくる。

一体、どうやって、あの重いバイクを重い通りに操るんだろう。



「バイクって、あの大きい方?原チャリじゃないよねぇ。」



「社長。やめてくださいよぉ。原付でツーリングなんて、いきません・・・。」



珠美は、何だか、恥ずかしそうに下を向いた。



「私に似合いませんか?」


一瞬の沈黙。。。


「ぷっ。」加奈は微笑みながら、吹き出してしまった。


珠美も、既に他の人にも言われたのか、やっぱりって感じで、加奈を見た。



「でしょうね。経理の友達にも笑われました。」




「ごめんごめん。そんな変な意味で笑ったんじゃなんだけどね。なんか、バイクに

乗ってるのか、乗せられてるのかって、頭の中に浮かんじゃって。うふふ。」



「もぅ。社長ったら、ひどーい。」珠美はちょっぴり、頬を膨らませている。



「じゃ、珠ちゃん。これ、来週の予定の書類ね。私は一足先に休ませてもらうけ

ど、怪我だけは気をつけるんだよ。再来週には、元気な可愛い顔をみせてちょうだ

い。あっ、もし急用があったら、携帯もっとくようにするから。」

そういって、珠美の頭を軽く撫でて、部屋を出た。



じっと背中を見つめる、珠美の視線など、全く気づかなかった。

その時は・・・。
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