Miyabiの図書室

□あなたへの想い(番外編)
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智子は仕事でインドネシアに行くらしい・・。

智子に、珠美の勤め先のホテルを聞かれ、教える代わりに、智子に同行させてほし

いとお願いした。

智子は、笑いながら構わないよと、OKしてくれた。


貴子は、バリ島は初めて・・。

早速、書店に行ってバリ島の旅行ガイドを買って、コーヒーを飲みながら

家でのんびりと旅行ガイドをめくった。


神々の住む バリ・・


色の浅黒いバリ島の住民の生活・・頭に籠を乗せ、荷物を運ぶ女性

島のいたるところで、神に捧げられる花・・・。

ガムランの演奏風景・・・そして、煌びやかな衣装につつまれ、繰り広げ

られるダンス・・。

エキゾチック・・・。


珠美ってこんなとこで生活してるんだなぁ・・。

でも、結構男前多いじゃない。。ムフフ


ガイドブックの写真を見ながら、そんな事を考えていた。


早速、朝会社へ出勤するなり休暇届を出した。

社長が、側へ寄ってきて、貴子に行った。

「どこかに旅行にいくのかな?」

「そうなんです。前、ここにいた珠美に会いにいくんですよ。」

社長は懐かしそうな顔でいった。

「珠美ちゃんか・・。まだ連絡取り合ってるんだね。」

「はい。親友ですから。」

「そっか。彼女・・幸せそう?」

フフフと笑って貴子は言った。


「ええ。すごく幸せになると思いますよ。」


意味深だなぁと社長は笑ったが、貴子はそれ以上は答えなかった。

社長は、離れ間際に貴子に言った。

「珠美ちゃんによろしく言っといて。そして・・・。」


社長は少し間を置いて

「日本に帰ってきたら、幸せな顔見せにおいでって伝えて。」


貴子は思った・・。

絶対伝えてやるもんか・・・。ムフフ。



関西国際空港で智子とおちあった。

まずはシンガポール航空で、ジャカルタに入り、そこからバリ島へはガルーダイン

ドネシア航空に乗り換えらしい。

飛行機の中で、智子は貴子に言った。

「珠ちゃんに、連絡してあるの?そっちに行くって」

貴子は、ニヤリと笑い

「な〜んにも連絡してない」

「えっ?じゃ、私も行くってこと知らないの?」

「そう。」

平然な顔で答える貴子に、智子は大笑いした。


「あっ。。それと・・」

貴子は思い出したように、智子に言った。


「ホテル、確かツインでしたよね。それもスイート」

「そうだけど・・」


貴子はにやっと笑い、こう言った。


「襲わないでくださいね!私はノーマルですから!」


智子は、プっと噴出した。貴子と智子は顔を見合わせて笑った。


二人を乗せた飛行機は、珠美のいるバリへと向かっていった。
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