Miyabiの図書室

□桜の丘で
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満開であろう桜の丘


ただ昼寝したくて

手には敷物1枚とジャスミン茶の入ったコンビニ袋。



広い公園の一番奥は

なだらかな傾斜になっていて

公園内の桜が見渡せる 私の特等席。




まだ満開とまではいかないけれど

公園の緑の中に 薄いピンク色の景色は

充分に目を楽しませてくれる。




「うーん・・・・・・」



私は大きく伸びをして 軽く目を閉じた。



どれくらい時間がたったのだろう。


意識の遠くから何やら声がする。




・・・起きる時間ですよ・・・・・・


・・・目覚まし・・・鳴ってますよ・・・・・・ンフフ・・・・・・。





私はハッと目を覚ました。



目を開けたそのすぐ前には

可愛らしい華奢な感じの女性が微笑んでいる。

歳は20代半ばといったところだろうか。


「目覚まし、ずっと鳴ってましたよ・・・ンフフ」




逆さに見えるその女性の顔が 余りに近すぎて

起きようにも起き上がれない。



私はただ固まるようにその女性を下から見上げていた。


風に乗って、柔らかく仄かないい香りがする。

この人の香り・・・・・・。



俯き加減な体勢で、チラリと白い胸の谷間が見える。

普通なら、軽く目を背ける所なのに

その時、何故かじっと見つめてしまっていた。



白くて 肌理細やかな肌

柔らかそうで でも弾力のありそうな膨らみ・・・



次の瞬間

少し恥ずかしそうに胸に手を添えるようにして身体を起して衣服を整えた。



気づかれたかな。。



女性は、微笑みながら軽く会釈をして下へと降りて行った。
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