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□青道高校 入学
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「優兄!」
入学式の桜の向こうに会いたかった人を発見して思わず声が出た。振り返った彼は優しく微笑み返してくれた。
「入学おめでとう」
小さいけれどはっきり聞き取れた台詞に笑顔がこぼれた。
「有り難う」

やっと やっと そばで応援できる時が来たよ…優兄



小さい頃から、本当のお兄ちゃんのように慕っていた。お母さんの話だと、本当のお兄ちゃんじゃないと教えた時の私は凄かったらしい。そのくらい、優兄のことが大好きでいつもくっついては遊んでもらっていた。

ところが、ある時からあまり遊びに来てくれなくなった。勿論、優兄が野球を始めたから。小さかった私は優兄を野球に取られたと思い、誘われても観戦に行くことはなかった。

中学生になって、少し気持ちが変わった。優兄を虜にする野球なるスポーツをきちんと見てみたくなった。
そして、グラウンドでいつもより何倍もカッコ良く見える優兄を目の当たりにして……
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