その他短編

□純白の君
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ああ、きみがいとしい。


唯、傍で笑ってくれる君が、

唯、大丈夫?と心配してくれる君が、

唯、ちょっとからかったら直ぐ真っ赤になる君が、


愛しくて。



「(今日も、来るの…かな)」


なんて思って、僕を閉じ込める真っ白な檻に一箇所だけ開いた窓を見つめる。
窓の外は青年――クリフが居る部屋と同じ色をして、だけど対象的に寒そうな景色をしている。

真っ白な世界、真っ白な部屋、真っ白なベットに――真っ黒に染まった自分。

ずっと此処に居れば、きっと自分は此処を真っ黒に染めてしまいそう。
そんなことを思って、僕は『彼女』に触れることを恐れた。
『彼女』を、その純白の心を、漆黒に染めてしまうことを――恐れた。


「(会いたい、だけど、会いたくない。)」


そんな思いが交差し、交わり、互いにぶつかっては――消滅する。

それは、強い火に降らせた大量の雪のように。
火に溶けた雪は水となって火に降り注ぐ。

結局は、どちらも残らずに――消えてしまう。

残ったのは、唯の虚無。



矛盾した世の中で、矛盾した自分は生きる。

その意味が、今になってもどうしても分からない。


真っ白な何もない世界で、唯真っ直ぐ前を見て歩いていた君が――不思議に思えて、


分からない。

分からない。

分からない。


彼女は、分からないで溢れてる。

だけど、分からないからこそ惹かれた。
彼女は前向きだった。でも、それだけじゃない。
もっと根本的な何かに――強く惹きつけられた。


なんて思っていると、不意にノック。


「はい」なんて返事は上辺だけのもの。
でも、今回は少し違う。――何故ならば、彼女であるからだ。

窓の外から風が運んできた声。(どうも僕は彼女の声を瞬時に拾ってしまうようだ。)
此方に向かってくる足音、扉を叩く音、全部全部覚えている。


「こんにちは、クリフ君」

「こんにちは、クレアさん」

「えへへ、今日はね――」


彼女が話すお土産話は正直言って内容は殆どがどうでもいい。
肝心なのは、彼女の表情だ。

あれがあった、と笑う彼女。
これが出来なかった、と拗ねる彼女。

色んな出来事を思い返して言葉にして、そして一喜一憂する彼女は愛らしい。


「ねえ、クリフ君」

「どうしたの?」

「あのね、ドクターが言ってたんだけど、
 クリフ君、最近調子良さそうだし…今度外に出ても良いって言ってたんだよ…ね、」

「そうなの? 僕はまだ聞いてないから知らないけど…。うん、後で聞いて見る」

「じゃ、じゃあ! …えっと、良かったら家に遊びに来ませんかっ!?」

「クレアさんの家に…かな?」

「そ、そう。料理くらいなら作れるし…ど、どう…かな?」


少し早口に誘われた久々の外出。
彼女だからこそ、この少し赤面しながらの上目遣いが可愛いと思える。

彼女だからこそ、この誘いに笑顔で「うん」と頷ける。



でも、はっきり頷いてしまうときっとこの表情はもう暫く見られなくなると思うんだ。
だから、ちょっとした駆け引き。





【純白の君】
(ねえ、それってデートのお誘い?)
(え、ええ!? …そ、そうなるのかなぁ…?)
(ふふ、やっぱりクレアさんってからかい甲斐があるから好きだよ)
(えええ!?)


+ + +

あばばばお久しぶりですうぃっしゅ!(意味不) 華麗にメタモールフォオゼッ!(←BGM/タヒね)
やあああっとひかちゃんリクエストの「クリクレ/切甘(…?)」が出来たのでうpです。やっとですね(全くだ)
内容がもうあれですね、微妙に病んでて微妙に従兄っぽい(何)
きっとソ●ユメに影響された上に憂鬱状態だった結果がこれだ。切っていうより暗じゃないか(…。)
後半と前半で雰囲気全然違いますし、寧ろ後半不自然すぎる。御免ね、ひかちゃんんんん(投石はご遠慮下さいませ)

自分の名前すら忘れ掛けてたひyげふん、乃島です。今日やっとリクエストが微妙ながらに完成したので、
晩御飯そっちのけでカコカコキーボード叩いてます。
本当、学業と趣味を両立出来る人って凄いと思います。尊敬します。
と、いうか乃島が帰ってくる時間が遅いだけですね。今日もものの30分前に帰ってきたばかりですし。

明日も明後日もし明後日も部活があるとか、余計に時間が取れなくなってしまいます。
あと、あと2本…! というか既に何行か書いているので1.7本位で。←

では、久々の更新でした! 半月位開いたのかなぁ…(開き過ぎだと思う)

リクエストされたひかちゃんのみお持ち帰りと苦情有りですっ!


…と、いう掲示板のとうk(ry)


2009.08.11 音成 舞綾(転載日時)

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