庭球

□永遠に。
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『アキラ』
…しんじ?
なんで浮いてるんだよ?


なんで悲しそうに笑ってんの?

『もう、アキラに逢えないから。』

『さよならアキラ。俺の分まで幸せになって』

『ずっと愛してる』
そう囁くと、深司はすぅーっと遠くなっていく

嫌だ、行くなよ!


「―…ラ!アキラ!」

夢か…
「ふわぁ…母さんどうしたの…」

まだ11時じゃん
てか、やけに深刻そうな顔

「今電話がきて深司くんが事故にあってk病院に…!」

え…嘘だろ…
じゃああの夢は…

「行って来る!」

俺はいてもたってもいられなくて、家を飛び出して自転車を飛ばしてk病院へ向かった


深司の奴生きてる…よな?





―――

深司のいる一室には既に深司の両親と妹達がいた。

「ほら、アキラくんが来てくれたわよ…」

そして深司の亡骸。

「そんな…目を覚ましてくれよ…深司…」

「…即死…だったって…」

おばさんがそう告げた

「そう…ですか…」

「ごめんなさいね…こんな夜中に…」

「いいんです、逢いたかったから」


つぅっと涙が伝い堕ちた





――深司、ずっとお前を忘れないからよぅ

お前も俺を忘れんなよ?


俺もずっとお前を愛してるから




END
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