□獣王様の気まぐれ
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赤い絨毯がひかれた一室。
可愛らしいドレスに身を包む女性…いや女の子がいた。

それはただの女の子ではなく、赤眼の魔王シャブラニグドゥの腹心のひとり。

つまり、高位魔族。
その名をゼラス=メタリオムといった。

「おーい!ゼロスぅー?
ゼロスちゃぁーん!どこぉー?」

大きな声でゼロスを呼ぶゼラス。
すると空間を渡って来たのか、ゼロスは直ぐに現われた。
激しく怒った様子で。

「獣王様!
何を考えてるんですかっ!
何故僕がやらなきゃならないんです!
わがままもいい加減にしてくださいっ!」

「何を怒ってるのよ」

「今回、僕に下された任務ですよ!」

どうやらゼロスは今まで不服な命令により動いていたらしい。

「だって〜」

「だって、じゃありません!
僕は忙しいんですよ?」

最近のゼロスはいつもこうだ。
ゼラスのわがままと思い付きに振り回される。
そしてゼロスがブチキレる。
…いや、ゼラスを嗜める。

「高位魔族はリナさんの所為でここ数年、かなり減少してしまったから僕が何人分も働かなきゃならないんです。
獣王様のわがままに付き合ってる暇はありせん!」

ピシャリと言い放つゼロスにゼラスは頬を膨らませてぶぅたれる。

「じゃあ、リナ=インバースを殺しちゃおう」

ポン、と手を叩いて言った。
いい事を思いついた、とでもいうかのように。
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