□冥王の要求
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「わかるだろ、ガーヴのヤツを始末したいんだよ僕は。
けど、1000年前に僕の部下は皆滅んじゃってるし、君のところの神官は他のヤツの将軍、神官よりかなりの力をもってるからさ。
まあ、それでもガーヴに適わないのはわかってるけどね。
でも僕は色々と忙しくてさ…
だから手足になるヤツが欲しいんだ」

獣王はペラペラ喋る冥王の話を黙って聞いていたが、

「お前も知っての通り、私には神官ひとり…ゼロスしかいない。
将軍ははじめから創ってないしな。
すぐに動ける部下がいないと私も不自由するんだ」

と尚も断る。

「ふぅん、じゃあ君はこのまま裏切り者のガーヴと部下をのさばらせていいと言うの?
もしゼロスを貸さないなら…僕は君も反逆者とみなすよ」

獣王は考えをめぐらせる。
しかしやがて、ふぅ…と獣王からため息がもれた。

「…わかった、ゼロスを貸そう。
しかし、今ゼロスはここにはいない。
任務を与えてるのでな。
戻りしだい、お前のところへやろう」

諦めたように承諾した。

冥王に目を付けられたら厄介だ。
赤眼の魔王シャブラニグドゥの腹心の内、最も力があるのは冥王フィブリゾである。
仲間内でドンパチするわけにもいかず、獣王はこれを承諾するしかなかったのだ。

渋々承諾したのを聞いて、冥王は明るい顔で笑うと、

「ありがとうゼラス。
裏切った部下は始末しておいてあげるからね。
よかったよ、君が敵に回らなくて」

と言って姿を消した。
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