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□獣神官の任務
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「獣王様、ただ今戻りました」
にこやかに戻って来たのは我が部下ゼロス。
「いやぁ、参りましたよ。
さすがは聖王都セイルーン、といったところでしょうか。
人ごみだらけでしたよ」
身振り手振りでゼロスは言った。
「報告せよ」
セイルーンに人間が大勢いようと私には関係ない。
「はい、もちろん買えましたよ!
名物のソフトクリーム」
「おぉ、でかしたぞゼロス!
早くこちらに寄越せ」
人間もたまには役に立つものだ。
我ら魔族の食料は人間の負の感情であるが故、本来ならこういう人間の食べ物は必要としない。
しかし…これがまた美味いのだ。
ゼロスからソフトクリームを受け取る。
「いるかしら?ゼラス」
「おぉ、いいところに来たなダルフィンよ。
今ゼロスがソフトクリームを買ってきたのだ。
呼びに行く手間が省けた。
一緒に食べようではないか」
「まぁ、グッドタイミングですわね。
いただくわ」
私はソフトクリームの入ってる箱を開けた。