裏小説_其の弐_

□☆★世界は廻る 輪廻の輪(完成)
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「サクラ。会いたかった」





サクラが死んでから16年。

オレも自身を冷凍していたから、昨日のことのようだ。







「…?…」







サクラは培養液の中で不思議そうにこちらを見ていた。


もちろん、彼女はこのガラスの容器のなかでたった1人だった。

言葉も知らなければ人格も、個性も無い。

気に入らないことにはすぐ泣き、怒り、暴力を使うだろう。

『獣』以下の知性だ。

生きていた頃のサクラは聡明だったから、ギャップが激しいに違いない。
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