裏小説_其の弐_
□☆白い腐敗(完成)
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「サクラ、おいで」
「…?」
カカシ先生が自分の膝を叩いて私を呼んだ。
自分の膝に乗ってくれ。そういう合図なのだけれど…
いつもなら
いつもなら
いやらしい手つきで私を撫でまわすのだけれど。
「よしよし。サクラは可愛いなあ」
「………」
「いい子いい子vv」
カカシ先生は、ただ私を膝に乗せて頭をなでるだけ。
ニコニコと笑う先生の顔には、いやらしさなど一かけらもない。
…どうしてこんなにマトモなの?
たぶんこれが世間でいう普通なんだけれど。
カカシ先生は、もっとスケベで変態で。
それからちょっとだけアブナイ人で。
私が泣き叫ぶのを涼しい顔で見てるような
そんな人なのに。
今では聖人君子のようにさわやかなオーラが出ている。
まるで人が変わったみたい。
奇妙すぎて、複雑な気分。
そして翌日も、カカシ先生はさわやかだった。
その次の日も、そのまた次の日も。
でも。
今度は、だんだん。私のほうまでおかしくなってきた。