宝物 

□□上忍の課題
3ページ/7ページ

つまり今ヒナタが白眼を使えば、嫌でもサクラの存在が見つかってしまう事になる。

逃げようにも千里眼を持つ白眼の前ではどうしようもない。

「ど、どうしよう…」

サクラは涙目でうろたえる。

ヒナタは目を見開いた。

「白眼!」

ヒナタの目の周りに血管が浮き出る。

ナルトも身構えた。

だがヒナタは、固まったまま動かない。

「どうした?ヒナタ」

「な、ナルト君…あ、ああああれっ」

「へ?」

ヒナタの指さす方向へ視線を向けるナルト。

「おわっ!」

声が裏返ってしまった。

2人共上を見上げている。

視線の先には、全長5mは超える目付きの悪いパグ犬が、じっとこちらを見下ろしていた。

首だけのそれは、「フンッ」と荒い鼻息をする。

「キャー―――ッ!!」

「お化けー――!!!」

血相を変えてバタバタと逃げ出すナルトとヒナタ。

あっという間にその姿は見えなくなった。

「………………え?」

あまりに一瞬の出来事に呆気に取られる。

「サクラー、大丈夫か?」

広場の中央に突然人影が現れた。

「カカシ先生」

サクラは驚く風もなく返事する。


「やっぱり先生だったんだね」

「うん、それにしてもお化けはないよなー、パックン聞いたら怒るぞ」

サクラはすぐにわかった。

状況を察したカカシが、幻術でナルト達に幻を見せて追い払ってくれたのだ。

「サクラ何か言う事は?」

「何よ」

「助けて貰った御礼とかさー」

「こんな状況じゃなかったら素直に言えたんだけど」

精一杯の強がり。

「ハハハ、素っ裸で睨んでも怖くないぞー」

「私の服返してよ!」

「だから返して欲しかったら先生を倒さなきゃ」

「ううっ…」

「ほらこっちおいで」


サクラに向かって両手を広げるカカシ。

広場の真ん中に佇むカカシは動く気配がない。

サクラは覚悟を決めた。

「うっく…ひく…」

「ほら、あんよは上手あんよは上手♪」

所在無さげに腕で前を隠し、ゆっくり広場の中央に歩み出る。

カカシは楽しそうに手を叩いてサクラを呼んだ。

ずりずりと足を引きずりながら歩み寄り、たっぷり時間をかけ、ようやくカカシの元にたどり着いた。

「はいよく出来ました」

カカシは全身でサクラを包んでやる。

サクラはぐしゅぐしゅと泣きじゃくっていた。

「先生…服…」


「まあそう慌てないで」

ひょいとサクラを軽々持ち上げた。

「演習休憩!たっぷり楽しもうねv」

まだ毛の生えていないそこを目の前に持っていき、嬉しそうにしゃぶりついた。

「あっ」

「サクラのここつるつるだね〜可愛いv」




ちゅぱちゅぱ




「やっや」

泣きながらもがくサクラ。

だが足が地面から離れているのでどうしようもない。

「やだぁ〜」

「ん〜?恥ちゅかちいの?」

ふぇ〜…と泣き出すサクラ。

カカシは笑いながら今度は胸に吸い付いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ