宝物
□□プラトニック・ラブ[カカサク]
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プラトニックな関係の付き合い方を、したことがなくて。
分かんないんだよね。
どうすればいいんだ?
「せんせい」
カカシは、突然現実の世界に戻された。
あ、もうサクラの家の近くじゃない。
「あぁ、うん」
いかんいかん。
サクラが、ちょっと訝しんで眉間にシワを寄せていた。
「あのさ」
「うん…きゃ!」
すごい速度で、サクラの肩がつかまれる。
「えっなっ、なに…」
「う〜ん」
カカシは、いや違うなぁ。とか一人でぶつぶつ言っている。
なんなの!
怒らせるようなことはしていない。
「…ぁ〜やっぱ」
うん、そうだな。
勝手に結論まで辿り着いたようす。
「サクラさ」
いちだんと強く力を入れて、肩を寄せた。
「ちゅーしていい?」
「…」
カカシの真剣な目に、すでに体の力が抜けていたサクラは、さらに頬を熱くした。
胸のまんなかが、溶けそうだわ…。
「そんなこと」
「…女の子にきくなんて失礼よ」
恥ずかしそうに体をふるわせる姿に、火がついてしまったカカシは、がち。とぶつかってしまいそうなバードキスをする。
「んっ」
こんなにやわらかな唇は初めてかもな。とカカシは感慨にふける。
上下を甘噛みすると、戒めるように力ない指が服の袖をつかんだ。
「やりすぎた」
「…」
サクラは、下を向いて黙っている。
「怒った?」
「…どうして怒るの」
しょうがないわね!といったような態度に、新たな魅力を感じつつ、それでも。
これはプラトニックな関係だと思った。