宝物
□■少女と冬[カカサク]
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ケーキは生クリーム
多めじゃなきゃ嫌なの
勿論 苺はおっきくて
はじめに食べたいわ
そうしたら、あなた
最後に苺を食べさせてくれる?
***
軽いキスを。
「どったの」
「んん…」
サクラが、何やらへそを曲げている。
正直には言わないけど機嫌がわるい。
カカシは、気付かないふりをして、もう一度キスをした。
「せんせ」
「ん?」
「任務なんでしょ?」
サクラが、じっと目をふせながらほっぺの下のほうを膨らませた。
「クリスマス」
「うん」
「…そう」
それから、サクラは何も言えなくなってしまう。
泣けなくて怒れなくてなんだか悲しかった。
クリスマスは、先生と過ごして…黒いコートの下に、スパンコールがたくさんついたミニのドレスを着るの。
そんな妄想抱いていたのに。
「すぐに帰るよ」
「うん。帰ってきて」
もうすぐ別れ道。
カカシのコートにくっつく。
「歩きにくいよー」
「私も」
「変なこだね」
カカシの香りを胸に吸い込んだら、気のせいか涙が出そうになる。
赤くなった頬を、更におしつけた。
「一番に、会いにきてね」