宝物 

□■少女と冬[カカサク]
1ページ/1ページ

ケーキは生クリーム
多めじゃなきゃ嫌なの
勿論 苺はおっきくて
はじめに食べたいわ

そうしたら、あなた
最後に苺を食べさせてくれる?


***


軽いキスを。

「どったの」
「んん…」
サクラが、何やらへそを曲げている。
正直には言わないけど機嫌がわるい。
カカシは、気付かないふりをして、もう一度キスをした。


「せんせ」
「ん?」
「任務なんでしょ?」
サクラが、じっと目をふせながらほっぺの下のほうを膨らませた。

「クリスマス」
「うん」
「…そう」


それから、サクラは何も言えなくなってしまう。
泣けなくて怒れなくてなんだか悲しかった。

クリスマスは、先生と過ごして…黒いコートの下に、スパンコールがたくさんついたミニのドレスを着るの。
そんな妄想抱いていたのに。

「すぐに帰るよ」
「うん。帰ってきて」

もうすぐ別れ道。
カカシのコートにくっつく。
「歩きにくいよー」
「私も」
「変なこだね」

カカシの香りを胸に吸い込んだら、気のせいか涙が出そうになる。

赤くなった頬を、更におしつけた。


「一番に、会いにきてね」
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ