宝物 

□□ふかく[サクカカ?ホノボノ]
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女の子には、ちょっとしたフェチズムがある

わたしも
例外ではなくて。


***

「サクラ、違うよ」
「えっ」
「ほら…ここの」
「どこよ」
ちいさな台の上、所狭しと参考書やら問題集が広げられていた。

「ここ」
「あっほんとだ」

サクラは、カカシ宅におじゃましていた。
一人で勉強していたのだが、どうしても解けなくて、カカシに助けを求めにきたのだ。

「上忍、しっかり!」

「難しい…」

う〜。あ〜。と唸りながら、カカシは問題とにらめっこする。
眉間に、ふかい皺。


「…」

なんだか、考えている表情のカカシは、
色っぽいと感じた。

長くて骨張った指が、頬にあてられていたり
への字になった唇が、うーんと唸ったり。

(色っぽいなぁ)


「ほらっ。見てないでサクラもやるの」
「はぁい」

近づいたら、ふわりとひくいマンダムな香りがした。
おとこの香り。


サクラは、この香りを忘れたくなくて


できるだけ
ふかく、呼吸をした。



 

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