宝物
□■ソレイユ[カカサクシリアス]
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お前なんかお遊びだ
うるさい泣くな
じゃーね
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すべて嘘の言葉
あぁ。いたい。
サクラ泣いてたなぁ
(…あたりまえか)
一番つめたい目で
あのいとしい娘を
見下した
一番つめたい言葉で
あのいとしい娘を
蔑んだ
「別れなきゃいけなかったんだ」
ひとりの部屋で
自分に言い聞かす
そう
別れなきゃいけなかったんだよ
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―数日前―
「ねぇ紅」
「なぁに?」
「彼女と別れたいんだけど…どうしたらいいかな」
「え?どうしたの」
「いや、ハハ」
「目が笑ってないのよどうしたの」
「…」
「あんなに仲良かったのに」
「うん…長期の任務が入っちゃった」
アカデミーの子供たちの校庭で笑う声が響く
「ふぅん…どれ位?」
「二年」
「…」
「俺、自信ないよ」
紅が髪を掻き上げる
「…彼女が待ってくれるか?」
「うん」
「決めたのね?」
「‥うん」
「未練残されないように嫌われなさい」
「?」
「好きなら悪人になるくらい出来るわね」
「…うん」
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出来るはずなかった